# マネジメント

人工知能時代に生き残るのは、意外と「こんな上司」だった

これがドラッカー流マネジメントの神髄
大原 浩 プロフィール

長所はいくらでも伸びるが欠点は並みにしかならない

ピーター・F・ドラッカーは「不思議なことに人間の長所はいくらでも伸びるのに、欠点はどれだけ努力しても並にしかならない」と述べている。

これは、筆者も読者も経験することだが、自分が得意でうまくできることは、それ自体が楽しいから熱中してどんどん上達する。もちろん、最初にうまくできるということは、元々天から才能を与えられていたとも言える。

それに対して、苦手なことというのは、最初から才能が無いといえるし、うまくいかないから楽しくない。同じように時間を使っても集中できないから、なかなか上達しない。そのような循環に陥る。

つまり、同じ100というエネルギーを費やすのなら、苦手なことよりも得意なことをしたほうが合理的なのだ。

 

また、ドラッカーはこうも言っている。

「莫大な労力をかけて平均点を目指す企業が勝つはずがない。勝負は長所をどれだけのばすかできまるのである」

現代は、通信、情報、交通網の発達によって企業はグローバルな競争にさらされる。その結果「一強多弱」となる。GAFAが支配的なIT業界が典型だが、GAFA以外で健闘している企業も「特定の得意分野」に特化してニッチな分野での「1強」を維持している。

つまり、平均的な能力の企業というのはまさに「コモディティー」であり、自らを安売りしなければならなくなるということである。

だから、「平均点」を獲得する(欠点を治す)ために膨大なエネルギーを費やすのはまったくの無駄なのである。

そして、企業が得意分野でのナンバーワンを目指すために長所を伸ばさないといけないように、社員もそれぞれの長所を伸ばしてナンバーワンを目指すべきなのである。

元々、企業というのは「長所」を伸ばして発展してきた。投資の神様ウォーレン・バフェットは「偉大な企業は常に1つの事業(長所)に集中してきた」と述べている。

例えばバフェットの投資先でもあるコカ・コーラは(コーラ)飲料、ジレットは髭剃りなどである。

コカ・コーラが一時血迷ってエビの養殖事業を行ったことがあるのは有名な話だが、もちろん失敗した。

冷静に考えれば、どのような市場(分野)でも、一流のプレイヤーが全力投球で闘っているのである。やっと平均点になるような企業がちょろちょろしても、すぐにノックアウトされるだけである。

もちろん、社内でも状況は同じである。