# 半導体 # フィルム

GAFAのデータセンターを支える「高機能フィルム」の凄すぎる実力

業界の「生き字引き」社長に聞く
夏目 幸明 プロフィール

学生時代、録音に使う磁気テープが紙からフィルムへと変わるさまを目の当たりにして、フィルムに興味を持ちました。そして私は当社に就職し、同じ頃、フィルムもビデオテープにフロッピーディスクにと、次々用途を広げてゆきました。

その後も、曲げに強いフィルムがクレジットカードに使われたり、半導体の製造現場でも絶縁のために使われたりと、フィルムの市場規模は日本経済の成長とともに伸びていったのです。

薄くて軽くて強い。このフィルムの特性が小型化、軽量化が求められる時代とシンクロしたのだと思います。

 

ストレスを栄養にして生きている

尊敬する経営者はミスミのシニアチェアマンである三枝匡さんです。

私がミスやエラーの発生確率を減らす取り組みである「シックスシグマ」の導入を命じられて四苦八苦していた'06年頃、三枝さんの講義を拝聴し、その内容をすぐに活かしました。

講義では「シナリオを描いても具体性がないと周囲は戸惑うだけ」「何かを決定しようにも、決定者の身分が不安定だと周囲に安心感を与えられない」「何かを実行に移しても途中の効果測定が不足していたら継続につながらない」といった様々なシナリオが説明されました。

そして、実際に私がシックスシグマを導入すると、「なぜそんなことを?」と様々な反対意見にさらされました。三枝さんの想定通りのことばかりが起こったのです。

「能美はストレスを栄養にして生きている」と、よく言われます。思えば米国に出向していたときも、日本人技術系出向者の撤収という難しい局面を指揮して最後の一人として帰ってきたり、最近は事業の構造改革のため、断腸の思いで岐阜の生産拠点の閉鎖を行ったり……。

学生の頃に古本屋さんで買った本のなかで、戦国武将の山中鹿之助が「我に七難八苦を与え給え」と三日月に祈るシーンに感動した覚えがありますが、振り返ると自分も、他の人がやりたがらないことをやってみたいと感じる性分だったのかもしれません。