2019.07.21
# 民泊

日本の「宿泊施設」不足問題で、いま「イベント民泊」が大注目のワケ

すでに取り組みがスタート
長田 英知 プロフィール

「イベント民泊」の仕組み

2017年に観光庁が出した資料によると、国内旅行者の1人1回あたりの消費額は日帰り客が1万5,602円であるのに対し、宿泊客は4万9,234円と3倍以上になっています。さらに外国人旅行者に至っては1回当たりの消費額が15万5,896円と日帰り客の10倍近くとなっています(出所:観光庁「平成29年 観光の現状等について」)。

観客以外にも大会関係者やボランティアの宿泊、通常のビジネス・観光にもとづくニーズもあるでしょう。さらに言えば、宿泊ができないことからそもそも行くことを諦めている観客も潜在的に多いのではないかと思われます。

このように考えたとき、イベント開催地でどれだけ宿泊場所を供給できるかが大きな論点になってくるのです。

〔photo〕iStock

実は日本には「イベント民泊」と呼ばれる、年数回程度(1回当たり2~3日程度)のイベント開催時に宿泊施設が不足することが見込まれる場合、開催地の自治体の要請などにより旅館業法や住宅宿泊事業法上の登録がない物件もその期間中に限り、自宅を活用して宿泊サービスを提供できる制度があります。

国のイベント民泊ガイドラインによると、対象となるイベントには、地域のお祭り、花火大会などに限らず、国際会議や展示会等のビジネスイベント(MICE)、スポーツイベント、コンサートなどの音楽イベントなども含まれるようです。

 

またイベント開催時に宿泊施設の不足が見込まれるかどうかの確認においては、必ずしも精緻な調査を実施する必要はないと言われています。自治体の観光部署において、当該自治体及びその近隣自治体の宿泊施設の供給量(客室数)、イベントへの遠方からの来場者数の見込み(外国人や、他の都道府県からの来場者など)、イベントと無関係な宿泊者数の見込み、さらに過去実績などから、「宿泊施設の不足が見込まれる」と合理的に判断できるのであれば満たされるとされています。

このイベント民泊の仕組みを過去に活用した事例として取り上げたいのが徳島市の阿波踊りです。

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