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アベノミクス失敗が原因…特捜部が着手「保育所融資詐欺事件」の内幕

怪しげな業者が保育事業に群がり…

アベノミクスの典型的な失敗事例

東京地検特捜部は、3日、横浜幸銀信用組合(横浜市)から約1億1000万円を騙し取った疑いで、福岡市の会社役員、川崎大資容疑者(51)らを逮捕した。

川崎容疑者らは、福岡で企業主導型保育事業を展開。これは、保育所を新設する際、公益財団法人「児童育成協会」に申請し、審査が通れば助成金が支給されるという制度だが、これを悪用して書類を偽造、横浜幸銀から不正に融資を引き出したというもの。

一見、ありふれた助成金詐欺である。

 

だが、事件の根は深く、だから特捜部が出動した。川崎容疑者は、その名より東京では旧姓旧名の塩田大介の方が通りがいい人物で、政界・官界に幅広い人脈を有する。

特捜部は、そのあたりの「融資詐欺」の先を見据え、不正に「政官」が絡んでいないかを捜査するが、それに加えてこの事件は、アベノミクスの典型的な失敗事例である。

アベノミクスに「新・三本の矢」という場当たり政策があった。15年9月にスタートした第2ステージで、希望を生み出す強い経済、夢を紡ぐ子育て支援、安心につながる社会保障、という三つが掲げられた。

このうち安倍晋三首相の“肝いり”だったのが、少子高齢化社会を踏まえ、日本の将来を担う子供を育てる環境を作ろうという「夢を紡ぐ子育て支援」だった。

その一環として、16年4月、スタートした企業主導型保育事業は、待機児童を減らし、育児と仕事の両立を促すために保育所の数を増やそうというもの。

これまでに約3800億円が投じられ、助成を受けた保育所数は、2597施設、定員5万9703人(18年3月末)まで急増している。

ただ、急いだだけに制度上の不備が指摘され、実際、怪しげな業者が群がって不正請求、それを指南する悪徳コンサルタントの乱立など、「事件化は必至の事業」(捜査関係者)と、見られていた。

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