騙されるな!
そうした金融機関の担当者が提案する商品がiDeCoやつみたてNISAである場合のみ、その担当者は信用に値する。しかし、内容のよく分からない外貨建ての商品など売りつけてきた場合は注意したい。
もちろん、「自分の来たるべき老後に向けて、自分で資産形成に取り組んだ人ほど豊かになる」という事実は揺るがない。しかし、海外に投資をしたいなら、つみたてNISAの対象商品となっている、国内外に分散投資するバランス型ファンドを買えば十分。それだけで世界中の株式にあなたは投資することができる。金額も何百万円も投入する必要はない。
iDeCoの年27.6万円(企業年金のない会社員の場合)、つみたてNISAの年40万円くらいで十分だ。
むしろ「老後は2000万円」のセールストークに煽られて、おかしな金融商品をつかまされることだけは避けなければいけない。また、必要以上の資金を金融商品につぎこもうと誘ってくる営業マンに乗ってはいけない。大損しかねない。

そもそも老後2000万円問題をめぐって、われわれができる対策は十分に用意されている。ここからはその5つの有効な対策を紹介しよう。
○対策1)しっかり働く、共働き正社員が理想
現役で働いているあいだは、老後のための貯蓄を考えるとともに、そもそもの厚生年金額を増やす選択肢もまだ残されている。
具体的には、
・会社員である期間を長くする
・高い保険料を納める
・共働きでふたり分の厚生年金を受け取る
が有効な戦略だ。といっても高い保険料を納めるには高い年収を稼ぐことが必要なので「長く働く」ことと「夫婦ともに正社員で働く」ことを意識してみたい。