老後2000万円問題で「金融機関のカモになる人」たちの5つの誤解

不安を煽って儲ける奴らに要注意
山崎 俊輔 プロフィール

日本人の老後はさほど悪くない

自腹で2000万円貯めるのはほとんどの会社員にはなかなか大変なことだ。しかし会社の退職金や企業年金の水準がすでにその半分あるいはそれ以上をカバーしているとしたらどうだろうか。

 

自分の会社の給付水準は自分で調べるしかないが、確認をしていただきたい。一般的には企業規模の大きいほど退職金水準も高くなる傾向がある。

また夫婦で正社員の場合、ダブルで退職金を受けられることもあり、それだけで2000万円をクリアしていることもある(この場合、油断せずもっと貯めておきたいが)。

○誤解5)老後に必要なお金は実は人それぞれ

最後にもうひとつ誤解を指摘しておくと、しょせん老後に必要な金額は人それぞれ、ということだ。

あなたがもし上場企業で部長クラスまで上り詰めたとしたら、おそらく2000万円では老後は成り立たないだろう。現役時代の生活水準が高すぎるため老後もお金がたくさんかかる傾向があるからだ。4000万円以上を目指して準備しても不安があるくらいだ。

逆にあなたが消費に淡泊、あるいは趣味がないため老後は無料の地デジとBSテレビだけ見ていればいいというなら、月5万円の不足すら生じないかもしれない。実際、田舎暮らしの老夫婦は月15万円もかからない、なんてこともある。

ほとんどの人は報告書を未読だろうが、ちゃんと読んだ人はあっけにとられるだろう。なぜなら「2000万円」は一例としてわずかに登場するに過ぎない数字だからだ。

ここまで読んでいただけた読者には、野党の追及も与党の防戦も、報道やブログの言説の多くも的外れだったということが分かっていただけたことだろう。

もちろん、「自分の来たるべき老後に向けて、自分で資産形成に取り組んだ人ほど豊かになる」という事実は揺るがない。とはいえ、いま騒がれているほどに日本人の老後はさほど悪くない、というのもまた現実であるということも忘れてはいけないだろう。むしろこの騒動で焦って、変な金融商品に手を出してしまえば、目も当てれないことになるので気を付けて頂きたい。

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