「年収130万円の壁」を誤解してない? 損しているケースが続出中

老後2000万円時代を生き抜くために
黒田 尚子 プロフィール

誤解だらけの「年収130万円」の壁

しかし、なぜ、田中さん夫婦は、この提案に首をタテに振ってくれないのか?

よくお話を伺ってみると、そこには、健康保険の扶養に入るための「年収130万円」の壁に関する誤解があった。

 

基本的に、被扶養者となることができる範囲は、2つのグループに分けられる。

<第1グループ>
・被保険者の直系尊属
・〃 配偶者(事実上婚姻関係を含む)
・〃 子
・〃 孫
・〃 兄弟姉妹

<第2グループ>
・被保険者の三親等以内の親族(第1グループに該当する人を除く)
・被保険者の配偶者で、戸籍上婚姻の届出はしていないが事実上婚姻関係と同様の人の父母および子
・上記の配偶者が亡くなった後における父母および子

第1グループについては、「収入要件」を満たしてさえいれば良く、必ずしも同居している必要はない。しかし、第2グループについては、「収入要件」+「同居要件」が必要だ。

以前は、兄弟姉妹に関して、第1グループが「弟妹」、第2グループが「兄姉」と別れていて、例えば、社会人になった兄の扶養に、別居している収入のない父母や弟妹も入れるかどうかの相談のときに注意が必要だった。

それが、2016年10月から制度が改正され、このうち「同居要件」が廃止。弟妹と同じように被保険者と同居していなくても「収入要件」のみ満たせば、被扶養者となることができるようになったのである。

さて、今回の田中さんご夫婦のケースに戻ろう。

一男さんは、陽子さんの配偶者なので、収入要件を満たせば良い。また同一世帯であるため、年間収入が130万円未満(認定対象者が60歳以上または障害厚生年金を受けられる程度の障害者の場合は180万円未満)であって、かつ、被保険者の年間収入の2分の1未満である場合は被扶養者となれる。

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