乙武義足プロジェクト」が進行している。乙武氏は身体の三重苦と闘いながら歩行練習を続け、エンジニア、義肢装具士、理学療法士などのプロフェッショナルたちがそれを支えている。

義足プロジェクト発表の日が目前に迫ってきた。「歩く姿」のお披露目のため、乙武氏はランニングスタジアムに向かった。 乙武氏がリポートする。

今までの連載はこちら

いよいよ「歩く乙武洋匡」の撮影

毎年11月に渋谷ヒカリエで開催されている「超福祉展」のための撮影は、移設された東京都中央卸売市場のすぐ近くにある新豊洲Brilliaランニングスタジアムで行われた。全天候型の陸上競技用60メートルトラック。パラアスリートのための義足開発ラボラトリーも併設された、2016年12月にオープンしたばかりの施設だ。豊洲に半透明のフィルム膜で覆われたアーチ型の外観がひときわ目を引く。多くのパラアスリートが練習に使っていて、以前にも紹介した義肢装具士の沖野氏によるランニング教室もここで開かれている。

新豊洲Brilliaランニングスタジアムにて

そんなすばらしいスタジアムを私の「デビュー戦」に選んでくれたことに感謝しつつ、午後一時半、スタジアムに到着した。遠藤氏、小西氏、義肢装具士の沖野氏、それから撮影スタッフなど、ぜんぶで10人のメンバーに迎えられた。

小西氏は、なんとこの日の朝5時までスタジアムで作業を続けていたという。「風呂に入るためだけに家に帰ったようなもんですね」と言って笑う彼の顔はさすがに少し疲れているように見えたが、ニコニコしながらデザインの特徴を語ってくれた。

「黒と赤を基調にして、シュービルの格好良さイメージしてデザインしました。健常者にはできない楽しみ方としては、脛とふくらはぎの外装部分が着脱可能になっていることが上げられます」

撮影チームのリーダーは、映像プロデューサーの鎌田雄介氏だ。母親どうしが大親友という幼稚園時代からのつきあいで、プロジェクトの記録映像の撮影をお願いしたところ、ふたつ返事引き受けてくれた。