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話題のステーキ丼専門店、佰食屋が「原価率50%」をつらぬくワケ

「驚異のコスパ」の秘密
中村 朱美 プロフィール

「驚異のコスパ」が実現した

そして、わたしは「広告費は一切使わない」と宣言しました。来られたお客様が喜んで、満足してくれれば、おのずと口コミで広がっていくはず。お客様一人ひとりがトップセールスマンになってくださるはず。

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では、そこでなにを最大の売りにするのか。

それはやはり、コストパフォーマンスでした。

関西の方は人一倍、価格に対する意識が高く、「これめっちゃコスパええやん」と特に評価してくださいます。

飲食店の場合、「メニューの原価率は30~40%に設定するのが鉄則」と言われています。それを佰食屋は無謀にも50%に設定したのです。

当然、担当の税理士からは「ホンマに止めたほうがいい」と真剣に止められました。けれどもわたしは、そこだけは譲りませんでした。

仮に原価率を40%に設定したとしても、思うように売上が伸びなければ、広告宣伝費をかけることになります。原価率40%に広告宣伝費を10%上乗せするくらいなら、はじめから50%に設定しておけばいい――。

 

そう考えて、よりどりの食材を選びました。

オープン当時、はじめの1か月こそ「失敗した」と悔やんでいましたが、おかげさまで、いまでは毎月のようにメディアに取り上げられます。個人のSNSはもちろん、食べログやGoogleローカルガイドなどの口コミサイトにも感想や写真が投稿され、みなさん、嬉しい声を寄せてくださっています。

それは、決して見た目だけではない、「来てみてがっかり」のない商品力が産んでくれた評価なのだと思います。

ここまで来れば、経営はとてつもなくシンプルなものになります。

1日100食限定、ひたすらにおいしいメニューを、圧倒的なコストパフォーマンスで提供し、お客様に心から満足いただく。

マーケティングや売上分析、経営コンサルティングなど必要ありません。