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話題のステーキ丼専門店、佰食屋が「原価率50%」をつらぬくワケ

「驚異のコスパ」の秘密
中村 朱美 プロフィール

「みんなのごちそう」をつくる

そして4つめ。みんなのごちそうであること。

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わたしの実家はとても「裕福」とは言えず、外食をしたことがほとんどありませんでした。

少し背伸びした住宅を購入したことで、「うちは貧乏や」と幼い頃から肌で感じる生活でした。土曜日のお昼ごはんは、近所のスーパーで買った30円のコロッケと、ごはんをお茶碗に1杯のみ。お腹が空いたら、片栗粉に少し砂糖を混ぜてお湯でとく「即席くず湯」を自分で勝手につくって食べていました。

たまの外食も、メニューのなかからできるだけ安いものを選ぶほど。子どもながらに気を遣って生きていた記憶があります。

中学校に入学したとき、本当は吹奏楽部に入部したかったけれど、「楽器を買うお金はない」と反対され、しかたなく第二希望のソフトボール部に入部しました。

友達が「ファミレス行ってん」「あのステーキおいしかったなぁ」と話す内容についていけず、一人で外食への憧れを募らせていたのが、わたしの子ども時代でした。

 

ステーキ、すき焼き、お寿司。どれもわたしにとっては「ごちそう」です。

そんなごちそうが、毎月気軽に食べられたら……。それが、佰食屋の商品開発の原点なのです。

2012年のオープン当時、日本ではまだインスタグラムのユーザー数は限られていましたが、わたしは大きな可能性を感じていました。

思わず写真を撮りたくなるような見た目にするには、どう盛り付けようか。どんな食器やトレーを使おうか。食べてみたら、どんな発見や驚きがあるだろうか……。そう考えて、商品を完成させました。

こうして生まれた佰食屋のメニューは、「みんなに教えたくなる」ものばかりです。