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# 飲食店

話題のステーキ丼専門店、佰食屋が「原価率50%」をつらぬくワケ

「驚異のコスパ」の秘密
「ランチのみの国産牛ステーキ丼専門店」「どんなに売れても1日100食限定」「営業わずか3時間半」「飲食店なのに残業ゼロ」「従業員の給料は百貨店並み」……。そんな奇跡のような経営革命を起こし、メディアで話題の「佰食屋」。中でも驚くのは、通常の飲食店が原価率30~40%のところ、「原価率50%」に設定している点だ。著書『売上を、減らそう。』を刊行したばかりの中村朱美社長が、その秘密を明かす。

商品開発の4つの条件

商品・店舗開発にあたって、佰食屋はクリアすべき条件を4つ定めています。

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(1)月に1回、自分がその金額を出してでも行きたいお店かどうか

(2)家庭で再現できないもの

(3)大手チェーンに参入されにくいもの

(4)みんなのごちそうであること

月に1回、その金額を出してでも自分が行きたいお店かどうか。その判断基準は、「主婦のわたし」にあります。

あまりに価格帯が高すぎると、毎月来るのが難しくなります。わたし自身が、「近所にこんな店があったら月1でランチに来ようかな」と思えなければ、コストパフォーマンスに優れている、とは言えません。

次に、家庭で再現できないもの。主婦感覚で、「スーパーで具材買ったら同じ物できるやん」と思われるメニューでは、何度も来てくれません。

 

まず、佰食屋のすべてのメニューで使用されている高品質な牛肉を1人前1000円以内で用意することが難しいですし、ステーキの絶妙な焼き加減とスライス、すき焼きの一人サイズの鉄鍋、肉寿司の低温調理・3種異なる調理にかかる手間暇は、それぞれ家庭で簡単には真似できないものです。

3つめは大手チェーンに参入されにくいもの。これまで佰食屋は数々のメディアに取り上げられていますが、いまだにステーキ丼もすき焼きも肉寿司も、ほかのチェーン店には真似されていません。

でも最近、ローストビーフ丼店はよく見かけますよね? その理由は、ローストビーフはオーブンで肉に熱を通し、機械のスライサーで薄切りにすれば、その工程にほとんど技術が必要ないからです。

しかし、肉は冷めた状態でないとスライサーにかけられませんし、オーブンで焼いた肉は乾燥しがちなため、冷たくてパサパサした食感になる、というデメリットもあります。

一方、佰食屋のステーキ丼は、焼きたてのステーキをまだ熱いうちにスライスして、ジューシーな状態で提供します。

精肉に必要な技術の習得や、調理にかかる手間暇が大変なのはもちろんのこと、そもそも「原価率50%」という設定自体、大手チェーンでは不可能です。とても本部を運営するほどの利益が出ないからです。