Photo by iStock
# ビジネススキル

社会人なら「この1時間でいくら利益を生んだか?」を絶えず意識せよ

起業家のように企業で働くために
終身雇用、年功序列といった平成の働き方が終わりを告げようとしている今、社会人に求められているもの。それは「起業家マインド」だ。著書『起業家のように企業で働く 令和版』で知られる経営学者・コンサルタントで、過去にはNEC、マッキンゼー、ユニデン、アップルなどの複数社で勤めてきた小杉俊哉氏は、「この1時間でいくら利益を生んだか」をつねに意識することを勧める。もっと力を伸ばしたいと悩む若手社会人に向けて、熱いメッセージをもらった。

上司の評価を気にしすぎるな

君は上司の評価をどのくらい気にしているだろうか? 会社に勤める以上、上司からどのように自分が評価されているかは気にして当たり前だろう。実際その評価によって、賞与の額が変わるし、昇進にも影響するからだ。

Photo by iStock

しかし、多くの人が上司の評価を気にしすぎているように感じる。君の上司が君の生殺与奪を決めるということは、昔と比べて格段に減っている。それにはいくつかの理由がある。ひとつは、評価システムの整備だ。

以前は、評価項目が明確でなく、また情意評価に偏りがちで、上司の好き嫌いが反映されやすかった。しかし、今では多くの企業で明確な評価基準を設け、また目標管理制度を採用している企業も多く、それに関する考課者訓練も行っており、個人の好悪が評価に反映される度合いが格段に減った。

多くの企業では、上司の評価だけで最終評価になることはなく、上司の上司が最終評価を行うことになっている。これにより、直属の上司の評価がチェックされ、客観的に見られるようになっている。

また、評価内容を本人にフィードバックすることも一般的になっている。上司は、その評価をつけた理由を君に説明しなければならないのだ。

 

また、もうひとつの理由は異動だ。かつては、業界によっては自分の上司は一生上司という会社も少なくなかった。しかし、今では定期的な人事異動を行う企業が多く、上司が3、4年で替わるのが一般的だ。

前述の評価の公平性とは矛盾するようだが、上司が替わると、評価が一変するケースはよくあることだ。今の上司の評価に拘泥する必要はないということだ。

さて起業家は、誰によって評価されるかというと、融資を受けている場合は金融機関だ。また、投資を受けている場合は投資家であり、具体的にはベンチャーキャピタルや最近では事業会社による投資も盛んになっているため、その場合は事業会社になる。個人から出資を受けている場合はその個人になる。

そして何によって評価されるかというと、ひとえに業績だ。毎期の業績が起業家にとっての通信簿であり、目標を達成しなければ、厳しく追及を受ける。どんなにその過程で努力をしていても、またたとえ市場環境が原因であったとしても、一切言い訳は通用しない。

起業家の評価者は、一義的には出資者、融資者であるが、それに留まらない。顧客から評価されなければ、業績を上げることは望むべくもない。また、仕入れ先や協業をしているパートナーなどからの評価も死命を決するほど重要だ。

さらには、オフィスの家主や、所在地の地域社会との良好な関係も重要だ。許認可などのためには行政との関係性も重要になる。このように、さまざまなステークホルダーから常に評価されるのである。