料理家・山脇りこさんの連載「ごきげんは七難ふきとばす~50歳からの養生日記」。多少無理のきいた時代は終わった!じゃあ、自分がごきげんに生きるにはどうしたらいいの? という切り口から、「ご機嫌に生きるアイデア」をお伝えしている。

「なにより、元気でないと、きげんよくしていられません。そのためにも、人に言えない食生活は30代まで。40代からは少し見直して、50代からは、できる限り、自分で料理して食べてほしい。何よりも自分のために」

そう語ってきた山脇さん。そのためにお伝えする簡単料理の極意とは。

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酸っぱいだけじゃない!
「酢」ってすごいんです

あくまでも調理はシンプルに、生で、あるいは焼くだけ、ゆでるだけでも十分美味しい。今後、年を重ねるにつれて、ますます、とことん単純にしていったらいいと思います。

そのシンプルな料理を美味しくしてくれるのが、『おいしい さしすせそ』です。砂糖、塩、酢、味噌に醤油と味醂。前回は、塩と砂糖のことを書きました。案外知らないことがあったー、という声もいただきました。今回は、す=酢についてお伝えします。

酢なんて、だいたい一緒では?と思われているかもしれません。

でも、違う。私はとにかく酢が大好きで、よくよく使います。味だけでなく役割もいろいろあって、もしかしたら調味料の中で一番重宝しているかもしれません。
酢って、ただ酸っぱいだけでなく、うま味があって、自然な甘みもあるものです。うまい酢があれば、料理の幅もぐっとひろがります。

写真提供/山脇りこ
トマトと赤玉ねぎを、米酢でマリネに。玉ねぎを刻んでトッピングするとさわやかな副菜に

原料による酸度の違い、
製造方法による味わいの違い

米酢、かす酢(酒粕が原料、赤酢ともいう)、りんごにワイン、モルトなど、原料の違うさまざまな酢があります。味わいもすべて違います。

まず調理で気をつけてほしいのが、酸っぱさを示す酸度。必ず明記されています。ちなみに、米酢は4~5%ですが、白ワインビネガーは7~8%。 2倍近く“酸っぱさ”が違う。ドレッシングを同じ分量で作っても、まったく違う味わいになります。

写真提供/山脇りこ
赤キャベツとココナツのコールスローは、酸度の高い白ワインビネガーできりっと

また、酢を選ぶときに、ぜひ気にしてほしいのが製造方法の違い。大きく分けて、速醸法(全面発酵)と静置発酵があります。

速醸は、空気を送り込むなどして短期間(1日とかね)で速く発酵させて作るもの。流通している安価な酢はほとんどが速醸法によるもの。

静置発酵は、木桶やタンクに材料を仕込み、文字通り、静かに置いて時間をかけて発酵させたもの。瓶をよーく見ると書いてあります(なにも書いていない場合は、ほぼ速醸)。

静置発酵の酢は、ただ酸っぱいだけではなく、奥深い酸味で、まろやか。うま味もしっかりあります。蔵ごとの味の違いもはっきりあります。味見をして違いを体感してほしいです。