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損保ジャパン「介護への配置転換」次に同じことが起こる会社はここだ

この流れは止められない

介護会社への転籍もあり得るとした損保ジャパンのリストラ計画が波紋を呼んでいる。政府は企業に対して70歳までの雇用を求めるなど、事実上の生涯労働制へのシフトを進めているが、ビジネスは時代とともに変化するものであり、同じ仕事が未来永劫、存続している保証はない。生涯労働が大前提となった今、同じ企業に在籍していても、事実上の転職を迫られるのが当たり前となるだろう。

しかしながら、業種によって余剰人員の発生しやすさには違いがある。可能な限り、同じ仕事を続けていくためには、余剰人員が発生しにくい企業に勤めることが重要となってくる。

 

自動運転時代、「自動車保険」が激減する

損害保険ジャパン日本興亜が、2020年度までに国内損保事業の従業員数を4000人減らす方針を明らかにした。同社の国内保険部門には、2019年3月末時点で2万7425人の社員が在籍しているが、これを2万3000人程度まで減らす。

同社が大規模な人員削減に乗り出した背景は2つある。

ひとつは、自動運転システムの普及が見込まれる中、損害保険会社の収益の中核であった自動車保険の減少が予想されること。もうひとつは、定型業務を自動化するロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)が急速に普及しており、単純な事務作業に従事する社員が余剰となる可能性が高まってきたことである。

2019年3月期における同社の正味収入保険料は前年比でマイナスとなっており、コスト削減で何とか増益を確保している状況だ。しかも、保険料収入の6割以上が自動車保険関連で占められており、もし自動車保険の市場が縮小に転じた場合、同社の経営には極めて重大な影響が及ぶ。

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このところ、マイカーの保有台数が伸び悩んでいることから、自動車保険の加入者数も頭打ちの状況が続いている。中長期的には、自動運転技術の発達によって事故の発生確率低下が予想されており、自動車保険市場は縮小が確実視されている。

これに加えて、完全自動運転システムが普及した場合、個人が加入する自動車保険へのニーズはさらに低下する可能性が高い(完全な自動運転車が事故を起こした場合の責任を誰が負うのかについては、まだ明確なコンセンサスは得られていないが、自動運転システムを開発・運用する企業に一定の責任が生じることは想像に難くない。自動運転システムを開発するのは、トヨタやグーグルといった巨大企業なので、保険会社に頼らなくても自前でリスクヘッジが可能である)。

損害保険各社は自動車保険に変わる主力商品の開拓を進めているが、自動車保険ほどのドル箱商品がすぐに見つかるわけではなく、将来の収益見通しは基本的に厳しい。