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米朝「電撃会談」はまだ序章で、これから本当に起きるヤバいシナリオ

米・中・朝・日、最後に勝つのはあの国
豊島 逸夫 プロフィール

米中朝「決裂」へ…!?

実際、このG20サミット開催中、すでにトランプ大統領は「日米安保は不公平」という口火を切った。「通商問題」を「安全保障問題」や「移民問題」とカップリングすることで、強力なディールカードとしようとする作戦だろう。

 

すでにトランプ大統領はメキシコの不法移民問題に関しても、つい先日、メキシコに対して「関税を引き上げる」と言及して通商カードを切った経緯がある。今回は輸入日本車への25%輸入関税課税案で脅し、日本の農業製品の保護の問題をやり玉にあげつつ、「日米安保の見直し」をちらつかせているわけだ。その背景にはやはり潜在的な反日感情の高い、自動車産業の集積地「デトロイト」や、農業の盛んな「オハイオ州」への選挙対策と密接につながっているのだ。

香港もまた同様だ。G20とその余波における「米中朝の接近」が香港経済に与えるマイナスの影響が懸念される。トランプ大統領が今後、大統領選に向けて「米中朝」の接近を進めていくとすれば、その生贄となるのは香港となりかねない。中国から自治を守ろうとする香港デモをアメリカが擁護することが難しくなるからだ。

G20直後に、香港でのデモが過激化している事実は決して偶然ではない。そもそも、香港の市民たちは、G20の場で香港問題について習近平国家主席の政策対応が問われると期待していたのだ。

〔photo〕gettyimages

習近平国家主席も、後には引けない。大阪での米中トップ会談に関する報道はいまだにかなり規制されている。米国に屈したとの弱腰の印象を国内に与える可能性もあり、神経質になっているのだ。そこに香港デモの過激派が香港統治の司令塔となっているビルに乱入したのだ。