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# 世界経済

米朝「電撃会談」はまだ序章で、これから本当に起きるヤバいシナリオ

米・中・朝・日、最後に勝つのはあの国

トランプの「腹の中」

G20大阪サミット期間中にトランプ米大統領が発したツイートがきっかけで、北朝鮮の板門店で金正恩朝鮮労働党委員長と握手したのには、さすがに世界中が驚かされた。さらに、米中首脳会談で交渉再開を妥結したのは大方の予想通りだったが、そこからスパイ容疑をかけられていた中国通信機器最大手・ファーウェイへの制裁緩和まで踏み込んだのもまたサプライズであった。

トランプ大統領はG20を最大限活用したといえるだろう。トランプ流のディールカードが炸裂したわけだ。いまやG20の20ヵ国は「1対19」と揶揄されるほどである。

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週明けのマーケットはトランプ大統領のサプライズを、とりあえず好感を持って受け入れている。しかし、こうして米中朝の交渉が進展していくことで、じつは次に日本には危機が迫りかねないという点は見逃してはならない。さらに、米中通商交渉や米朝非核化交渉が再開されることで香港が生贄になる可能性もあまり知られていないだろう。

いったい、トランプの「G20サプライズ」の舞台裏ではなにが起きていたのか。各国のリアルな思惑を見ると、これから起き得るシナリオが見えてくる。

 

すべての発端は日本時間の6月29日、土曜日の朝のちょうど8時になる前に起きていた。

<中国の習(近平)主席との会談をはじめ、非常に重要な会談ののちに、私は文(在寅)大統領と一緒に韓国へ向けて日本を発つ。このツイートを北朝鮮の金(正恩)委員長が見ているなら、DMZ(非武装地帯)で彼と会って、握手を交わしたい>

私はその時、大阪のテレビスタジオでG20特集番組に生出演中であった。ポケットのスマホが突然作動を始めてこの重要ニュースを知らされた。即、そのことをスタジオで告げると、専門家の出演者全員が騒然となった。私は「本気なのか…」と戸惑いながらも、米中交渉を4時間後に控えたツイートだけに、「なるほど」とひざを打った。これこそがトランプ流の交渉術であるという点に注目したのである。

もともと、G20でのトランプ大統領と習近平国家主席との会談は、トランプ大統領にとって鬼門だった。昨年来続いている互いの関税合戦がいよいよ米国経済にも大きな影を落とし始めているからだ。