日本の憲法学者だけが使う「奇妙な言葉」に多くの人はダマされてきた

日米安保条約を見直すかどうかの前に
篠田 英朗 プロフィール

非対称性の解消に向けて

冷静に考えてみよう。

日米同盟は非対称なものだ。それを背景にして、在日米軍の問題があり、日米地位協定の問題がある。だとすれば問題の解決に必要なのは、日米同盟の廃棄でなければ、非対称性の改善だ。

「基地と人を交換しており、金も払っているのだから、心配することはない」という議論にも、まだ有効性はある。

憲法学通説の虚構性がバレてしまったら、トランプ大統領の主張から逃げることが難しくなってしまう、誤魔化すためには憲法学者が必要ではないか、と心配する方々も多いだろう。

〔PHOTO〕gettyimages

しかしこうした見方の意味は、冷戦時代とは大きく変わってしまった。冷戦時代のようにやっていれば、永遠にうまくやれるとは言えない。

アメリカ兵を裁きたいのであれば、まず日本国内に軍人を裁く法律を作るのが先だ。軍隊はダメ、軍法もダメ、と主張する憲法学者を拝み奉りながら、「日米地位協定は日本に米兵を裁かせないのでけしからん」と怒ってみせるのは、全く倒錯している。

 

日米同盟は、日本外交の大きな財産だ。簡単に破棄はすべきではない。

では非対称同盟から生まれている問題には目をつぶらなければいけないのか。そんなことはない。

日米同盟の総合的な運営の視点から、一つひとつ改善の道を探っていくべきだ。他国の例を見ても、同盟体制の内容の向上を図り、地位協定の改善を達成している。

必要なのは、憲法学者による支配から、日本社会を解放することだ。まずは「勘違い」に気づいて、目を覚まそう。

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