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日産、野村HD…日本の大企業「令和初の株主総会」に感じたある変化

株主提案は過去最多の「約60件」

先週、2019年3月期決算の上場企業の株主総会ラッシュが峠を越えた。総会屋が跋扈した1970年代以来、今年もあまり変わらなかったのは、先週火曜日(6月26日)からの3日間に総会を開催した企業が全体の7割近くに達し、相変わらず、集中日に開催しておこうというマインドが色濃く残っていることだ。

そして不祥事が企業にとって致命的であることも総会屋全盛時代と変わらず、今年の株主総会では、日産自動車や野村證券、スルガ銀行、レオパレス21など、株主からガバナンス(企業統治)の不全を厳しく糾弾されるケースが相次いだ。

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大きな変化は、糾弾したのが、かつてのような総会屋ではなく、一般個人株主や機関投資家だったことだろう。加えて、株主たちは、業績、配当、取締役候補、役員報酬、環境保護への取り組みなど、企業を取り巻く様々な問題についても積極的な提案を行い、一層の経営努力を促してきた。

今週は、身近な企業の株主総会で、どんな議題がどのように取り上げられたのか、今年の傾向を整理して紹介しておきたい。

 

変化した株主総会の様相

株主総会は、企業の最高意思決定機関である。会社の所有者である株主と経営陣が一堂に会し、定款や取締役など企業経営の最重要事項を決める場だ。すべての株式会社は、少なくとも年に1回、本決算の後に、定時株主総会を開くことが義務付けられているほか、合併や身売りのような重大な決定には、臨時株主総会を開いて承認を得る義務を負っている。

「株主総会では何を話し合っているのですか」とよく聞かれるが、定時総会の場合、開会して最初にするのは業績の報告だ。その後、会社が取締役の選任案や定款の変更案など会社・経営側の提案を説明、次いで関連する質問や関連しない質問を株主から受け、経営側が答える形で質疑を進める。最後に、議案を採決するという流れをとるのが一般的だ。

1970年代は、1万人とも言われる総会屋が跋扈、総会を混乱させたり、混乱させるぞと脅したり、逆に混乱しないように守ってやるぞ、などと言っては、会社から不当な利益を得ようとするケースが後を絶たなかった。そのため、総会屋を介入させまいと、質疑を最小限で打ち切り、議案採決を急いだり、集中日に総会を開くことで、総会屋の出席を抑えようと目論む企業が多かった。

今は昔と違って、総会屋対策の大きなものだけでも1981年から3度にわたる会社法(旧商法)改正が行われた結果、総会屋も数えるほどしか残っていないと言われている。ここ2、3年は総会屋が株主総会で暴れたというニュースにもお目にかからない。

そこで、一般株主との対話重視を打ち出し、あえて集中日以外に総会を開催する企業もある。東京証券取引所によると、最も開催が集中した先週木曜日(6月27日)の開催社数は719社。3月期決算企業全体に対する比率は30.86%と、前年の集中日(6月28日)より0.1ポイント低下、社数で見れば6社減った。

大勢の株主に来て貰い、気持ちよく帰宅してほしいとの考えから、自社製品などをお土産に配る企業も珍しくない。加えて、丁寧に質疑をやろうという企業も増え、10問ぐらいの質問を受け付けて、理想とされる2時間前後の質疑を行う会社が多い。

 
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