# 日本経済

年収180万円の若者が「年金300万円の老人」を支える日本の絶望

格差社会ニッポンの正しい歩き方
鈴木 貴博 プロフィール

とてもシンプルで不都合な真実

日経平均と同じように計算してみましょう。現在65歳の人が今から30年前、35歳から毎年20万円ずつ、アメリカを代表するS&P500という株式指標に投資を続けてきたら、65歳のときにその資金はいくらになっているのか。

計算結果は、520万円の元手が1967万円に増えていたという数字でした。つまり約2000万円。もともとの騒動の発端になった金融庁の審議会の水準にほぼほぼ到達しています。

ここでわかることは、国にとっては不都合ですが、わたしたちが生き抜くためには重要な教えです。

将来必要な2000万円はみなさんにとってのセーフティーネットです。それは国が助けてはくれないときのための備えとして、金融庁の審議会が試算した最低限の数字です。そしてここが一番重要なことですが、「国が助けてくれないときのためのたくわえ」だとしたら、それは日本経済に投資をしていてはだめなのです。仮に日本という国が沈んだときのためのセーフティーネットですから、日本には投資すべきではない。とてもシンプルで不都合な真実です。

 

実際に日本の年金は日本株に投資をして膨大な損失を生み出して問題になっています。官民ファンドというのもありますが、農水省のファンドがやはり投資で多額の損失を計上しています。理由は簡単です。国が沈みかけた日本経済を救おうと、年金やファンドを活用しているからです。

そして国が頼りにならない未来のためのセーフティーネットは、個人が、外国に頼って用意をすべきだということが、年収180万円時代の正しい格差社会での生き抜き方なのです。