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年収180万円の若者が「年金300万円の老人」を支える日本の絶望

格差社会ニッポンの正しい歩き方
鈴木 貴博 プロフィール

過去30年間で日本経済はたいして成長していない

具体的に計算してみるとわかります。

35歳から60歳まで25年間、毎年20万円を蓄えていくと総額520万円の蓄えになります。それを金利0.1%の銀行預金に預けておくとどうなるか? 65歳になっても529万円にしかなりません。

 

では、普通のフィナンシャルアドバイザーが推奨するようなリスク投資を行ったらどうなるでしょう。安全な債券に投資しても銀行預金と大差ありません。そこそこリターンを求めるならば、株式の投資信託や不動産リートといった高いリスク商品を買う必要があるとアドバイスされるはずです。

それで過去のデータで計算してみましょう。今65歳の人が35歳のときから毎年20万円ずつ、一番リスクが大きくリターンも大きいといわれる株式にそのお金を投資したらどうなるのか。それも身近な平均的なもので。そう考えると日経平均のインデックス投資がこの考え方での投資の平均像になります。

そこで実際に35歳から25年間、日経平均に投資を続けたらどうなるかを計算してみると累計で520万円の元手は30年後の現在、759万円に増えていたことがわかりました。これはなかなかいい成績だと思うかもしれませんが、結果として2000万円には届いていません。そして投資の世界では足掛け30年間で1.5倍弱にしか資産が増えていない投資はたいした成果ではありません。年利でいえば1%強です。

〔photo〕iStock

なぜそうなのかというと、要するに過去30年間で日本経済はたいして成長していないからです。だからそれを象徴する日経平均に投資をしても、結局日本の経済成長率程度にしか資産は増えないのです。結局、日本株も日本の不動産も、国が衰退すればリターンよりもリスクのほうが大きい。平成の30年間ですらこのリターンなのに、令和の30年間がどうなるかはもっと不安のほうが大きいはずです。

ここで必要な本当の投資のポイントは「日本と違って、そして日本以上に成長する国の株式に投資すること」です。なぜならここで貯めるべき2000万円は、そもそも日本の財政が立ち行かなくなった場合の「個人セーフティーネット」として準備しておくものだからです。

ただし、日本よりも成長する国といっても中国のように株式市場が不透明な国はさけるべきでしょう。そう考えると将来の生活資金のベストな投資先はアメリカ株ということになります。