〔PHOTO〕iStock

生活保護受給者は日本でどう生きるか?厚労省の議論「問題点の数々」

貧困ビジネス対策が事実上の形骸化?

生活保護受給者はどう生きるか

今年1月に「『住まいのない生活保護利用者』は一体どこで暮らせばいいのか」という記事を書いた。

その記事では、厚労省が2018年11月にスタートした「社会福祉住居施設及び生活保護受給者の日常生活支援の在り方に関する検討会」での内容を中心に、現在おこなわれている主に住まいのない生活保護利用者の生活の場となっている無料低額宿泊所などの「施設」について、現状と議論を紹介した。

この検討会では、無料低額宿泊所等の施設に関して、いわゆるハード面(居室面積や設備など)での最低基準を設け「貧困ビジネス対策」とすることと、単独での居住が困難な生活保護利用者の日常生活の支援を一定の質が確保されている無料低額宿泊所等(日常生活住居施設)に委託できる仕組みを創設するための議論がおこなわれている。

上記の記事中では、

・施設を運営している事業者が委員13名中6名を占め、事業者側の視点で議論が進んでいること
・そもそも生活保護は「居宅保護」の原則という、アパート生活を前提とする制度であるにも関わらず、大都市圏では施設に長期間入所している人が少なくないこと
・「施設」の基準を作ることによって、結果的に本来であればアパート生活ができる人が新たに「良い施設」とされた施設に長期に滞在させられてしまう可能性があること
・現在、「良い施設」と呼ばれる施設(検討会の委員が運営する施設)も居室面積が狭小であること。そして、生活支援の名のもとに入居者が多くの金銭的な負担を強いられていること

などを紹介した。

 

そして、「施設」の機能強化は、結果的にアパートでの生活を前提としている生活保護制度の住まいの在り方にマイナスな影響を及ぼすであろうとの懸念を記した。

記事を書いた時点から半年たち、検討会での議論も第7回を終えた。本稿では、これまでの議論を経て6月に厚労省より示された「省令案」について紹介する。