動き出した日本株市場
6月入り以降、東証一部の売買代金の2兆円割れが常態化し、ほとんど動きが見られなかった日本株市場であったが、ここに来て急に動意づいてきた。
発端は、米中摩擦の暫定合意報道にともなうイベント的な資金流入。これを受け、6月27日の日本株市場は、日経平均株価で250円を超える久々の大幅上昇となったが、それよりもむしろ大きく動いたのは市場内のファクターである。

その中でも特に目立つのが、PERやPBRなどのバリューファクターの投資効果で、「順張り」が支配的であった昨今の市場の流れからは考えられない動きだ。
しかも、奇妙なことに短期のリバーサル効果自体はほぼ横ばいで推移となっていることから、単純にテクニカルな逆張りの短期資金が市場を動かしたわけではなく、選別的に低PER株に資金が集中していたことがわかる。
図:過去一週間のバリューおよびリバーサルの投資効果
この効果は、言うまでもなく電気機器や機械といった米中通商関連銘柄の急反騰によるものだが、しかし、である。これを踏まえた投資アイデアとして、素直にこのままバリュー相場入りし、ここから割安銘柄に投資すればよいかというと、それは早計だ。