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アメリカという「狂信的な国」はどんなふうに生まれたか

『ファンタジーランド』を読む(前編)

トランプを生んだ国の来歴

ドナルド・トランプは再選に向けて動きだした。

最初は、こんな人が大統領になっていったいどうなるのだとおもっていたが、2年で何となく見慣れてしまうところが怖い。

『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』(カート・アンダーセン 著、山田美明 ・山田文 訳/東洋経済新報社)という書籍では、これは、アメリカが「ファンタジーランドになってしまったからだ」、と指摘している。

なかなかおもしろくて刺激的な本である。

上下二冊の本を通して「アメリカ人はとにかく変わっている」ということを繰り返し強く主張している。

そのとおりなのだろう。

アメリカ人が考えるに、アメリカ人は変わっているのだ。

そしてその実例として「とても変わったアメリカ人たち」を次々と紹介してくれる。16世紀の終わりから変わった連中がいっぱい出てきて、それはそれでおもしろいのだが、そのおかしな人たちが尽きることがない。

最初はおもしろがって読んでいられるが、連綿と尽きることなく変な連中が紹介されつづけると、ボディブローのように効いてくる。200年ぶんくらいでお腹いっぱいになるのだが、まだまだ許してもらえない。ドナルド・トランプを大統領にするまで延々と奇妙な人たちが登場してくる。

ファンタジーランドはおとぎの国だ。

東京ディズニーランドだと、シンデレラ城の裏っかわにある。ピーターパンやふしぎの国のアリスが白雪姫やシンデレラが昼ひなかから歩いている場所である。落ち着いて眺めると、とても風変わりな場所であるが、ここにはあまり落ち着いた人たちはいないから、誰も気にしていない。

世界はそのようになってきてしまってるんではないか、という指摘がなされている。少なくともアメリカはファンタジーランドと化し、みんなそれを認めて楽しんでいる、という説明はじんわりと不気味な説得力を持っている。

 

アメリカは狂信的なグループによって始められた

『ファンタジーランド 狂気と幻想のアメリカ500年史』を書いたカート・アンダーセンによれば、アメリカはその建国の当初から、かなり変わっていたのだ。

「アメリカは狂信的な宗教グループによって始められた国である」。

そういうことだそうだ。

まず旧教(カトリック)に対して、新教(プロテスタント)があり、その新教のなかでもより急進的な人たちがおり、その急進的ななかにも狂信的な人たちがいて、それが新大陸に移ってアメリカ人のもとになった、ということのようなのだ。