世界初の極楽鳥撮影のため「石橋は叩きまくって飛び越す」僕の流儀

命がけの撮影の作戦会議!
大好評連載もとうとう最終回。これまで2回にわたって極楽鳥を追うカメラマン・嶋田忠(しまだ・ただし)さんの素顔に迫ってきましたが、今回は「命がけの撮影」について伺います!
ニューギニアに足しげく通っては極楽鳥を撮っている嶋田さん、命の危機に瀕したことも一度や二度ではないようで……?

第1回:お立ち台のように木に集まってダンスを披露! 極楽鳥の秘密
第2回:鳥小屋を愛した少年が、ニューギニアの戦士たちと極楽鳥を追うまで

秘境に棲む幻の極楽鳥。撮影するのも命がけ!?

──今回の写真集の中で、「これは私が世界で初めて撮った!」と自負している写真はどれですか?

このアオフウチョウっていう鳥は、「幻の極楽鳥」って呼ばれてて、一番生息数が少ないので今まで鮮明に撮られたことがなかったんです。

求愛のダンスを踊るアオフウチョウ
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上にいるのはメス。アオフウチョウはメスも結構きれいですね。木の枝にぶら下がっているのがオス。普段は腹にある飾り羽が閉じてるんですけど、踊りの時には開く。そうするとブラックホールみたいな穴が現れるんですね。こんなにきれいに撮影できたのは世界初だと思います。

──こういうのは、どうやって撮るんですか?

まずは鳥たちが踊る場所を見つけなきゃいけない。斜面にあるんですけど、そこまでどろどろになって這いながら登っていく。崖に生えている木に背中を預けて撮影するんですけど、万が一背中がその木からずれたら終わりですよね。まっさかさま。

──命がけじゃないですか!

一応安全ロープはつけてるんですけどね(笑)。日の出前に踊るから、夜のうちに踊る場所を探すんです。けど、ただでさえ夜中で眠いのに、そこまで登って、隠れ場所を作らなきゃいけないからもうフラフラになっちゃって。居眠りなんてしたら一巻の終わりですね。

この「踊る場所を見つける」っていう作業に時間がとられるんですよ。鳴き声とかで、「鳥がいる場所」自体はすぐにわかるんですけど、「踊る場所」となると、ジャングルの中から畳一枚分くらいのスペースを見つけなきゃいけないわけです。

ジャングルはきつい山になっているし、極楽鳥の飛ぶ速さは人間が歩くよりずっと速いので、鳥を見つけても飛んで行っちゃったらなかなか追いかけることもできない。

おまけに、撮影スポットを見つけてもすぐに撮影できるわけではないんです。まず、撮影用の隠れ場所を作っておいて、極楽鳥が警戒しないように1週間くらい放置しておくんです。極楽鳥にとって隠れ場所が「当たり前の存在」になったころに、潜り込んで写真を撮るんですよ。