「地方」と「地方銀行」はなぜ衰退するのか?

若者の邪魔をしない社会が必要
大原 浩 プロフィール

支店経済の崩壊と地方の疲弊

大学時代の友人で、札幌在住の税理士が昔こんなことをよく言っていた。

「北海道の経済は、ジャンボジェットの後輪のようなものなんだよね……」

「???」

「上昇をするときには一番最後まで地面に残っているけど、着陸するときは一番先に地面につくだろう? 東京の景気が良くなっても、北海道の景気は最後までよくならないし、悪くなるときには真っ先ということ。東京本社企業の支店に頼る悲しさだね……」

今や「支店経済」でさえ死語である。インターネット全盛の時代、東京本社の企業が全国に支店を展開する必然性は薄れている。全く必要無いということは無いだろうが、まだまだその数は減少するだろう。

「支店」に頼っていた地方経済から「支店」が差し引かれて、ミステリーのタイトルではないが「そして何も無くなった……」のが地方の現状である。

 

さらに、国民の血税を費やした整備新幹線や高速道路(自動車専用道路)なども、地方の衰退を加速させる。

地方の政治家は、(準)公共事業で雇用が生み出され、多くの都会の人々がその交通網で地元にやってきて、ついでに自分の懐も潤うなどと虫のいいことを考えていたのだろうが、それはまったくの間違いである。

例えば、現在比較的繁栄しているのは、福岡や札幌などの地方の中核都市である。交通網が整備されたことによって、それ以外の地域から、人もビジネスも「よりよい環境」の中核都市に流れてくるのだ。

東京圏でさえ、交通網が整備されれば、郊外からより便利な渋谷・新宿・六本木などの中心部に人やビジネスが集中する傾向がある。

そもそも、東京が発展したのは交通網の発達のおかげである。新幹線が登場する前、東京から大阪への出張が「1泊」であるのが当たり前であった「夢のような時代」には、大阪支店は絶対に必要なものであった。大阪におけるホテルや飲食店などの需要も大いにあったのだ。

交通網や通信網の発達によって東京が益々便利になり、地方の必要性が益々失われるのである。