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解剖医が「ミイラになった遺体」から考えた、この国の厳しすぎる現実

親と同居していたのに一体なぜ…

ミイラになった遺体

この日、運ばれてきたのは40代の男性。解剖台に載せられた遺体を見ると、手足は乾燥してミイラ化している。死後2週間ほど経過しているように見える。

法医解剖の現場では、死後2週間経過した遺体を解剖することは、珍しいことではない。最近は、私たちのところに運ばれてくる遺体の約半数は一人暮らしの人になった。

 

一人暮らしをしていて何かの原因で急に亡くなれば、遺体が発見されるまでに時間がかかることになる。遺体が見つかった時には、体が腐敗していたり、ミイラ化していたり、中には白骨になっていたりすることもある。

解剖台のミイラ化した遺体をながめながら、この男性も一人暮らしをしていたのではないかと思った。

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だが、遺体が見つかった時の状況を警察の人から聞くと、意外なことがわかった。男性は一人暮らしをしていたわけではなかった。両親と同居していた。

親と同居していたのに、なぜ、体がミイラ化するまで遺体が見つからなかったのだろうか。