最新OSを徹底解剖!「iPad」でアップルが狙う「意外な市場」

脱iPhone、パソコン化の真意とは

最新OSを使ってみた!

6月25日早朝、アップルは、秋に一般公開を予定している同社の主力製品用OS「iOS 13」「iPadOS 13」「macOS Catalina」のパブリックベータテストを開始した。

パブリックベータテストとは、開発途中のOSを一般公開し、動作検証を進めるフェーズのことだ。誰もが参加できるが、重大な不具合が残っている可能性もあるため、多くの人には導入をお勧めしない。

だが、パブリックベータ版からは、アップルの今後の戦略を、より具体的に読み解くことができる。今回は急遽、取材に基づく特別な許可を得たうえで、「iOS」から独立して特に大きな変化を遂げた、「iPadOS 13」のファーストインプレッションをお届けしたい。

アップルはiPadに、どのような戦略を託そうとしているのだろうか?

「iPhoneに次ぐ柱」を目指す

アップルの現在の稼ぎ頭は?

こう聞かれれば、誰もが「iPhone」と答えるだろう。一般ユーザーはもちろん、アプリの開発者も、MacよりiPad、そしてiPhoneのほうが多い。

となると、アップルが提供するエコシステムのすべての中心にiPhoneが……というイメージを誰もが描く。そして、ここ数年は間違いなく、OS更新の主軸はiPhoneが担っていた。

ところが、今年は少し趣が違う。

いや、正確にいえば、詳しく見ていくと「やはりiPhoneが主軸」であることに変わりはない、とわかる。それはそうなのだが、広く魅力をアピールしたい商品がどれなのか、新OSの投入でより価値を高めたい製品がなんなのか、ということになると、「それはiPadである」という結論になる。

iPadは、タブレットジャンルにおける紛れもないヒット商品ではあるが、従来はなかなかに位置づけが難しい製品でもあった。

動画や文書の閲覧に適しており、持ち運びも容易だ。ペンやカメラなどを備えているため、クリエイティブな作業に向いている「新しい個人向けコンピュータ」といっていい存在でもある。

しかし、「パソコンやMacとは異なる」部分が大きいことが、ある意味で"足かせ"になっていた。

特に大きな制約となっていたのが、「ファイル」の扱いだ。

ネットからファイルをダウンロードしたり、USBメモリーで他人に渡したりといった、パソコンではあたりまえに行えていることが、iPadでは難しかった。正確にいえば、「できないわけではないが、きわめて回りくどい」やり方を強いられていた。

今回リリースされるiPadOS 13では、このあたりにメスが入った。

具体的には、以下に紹介する3つの点が大きく変化している。その結果として、iPadの良さをスポイルすることなく、より「パソコン的」に使えるようになっていて、ジレンマが減っている。

【写真】iPadOS 13のホーム画面
  iPadOS 13のホーム画面。表示可能なアイコン数も増え、これまでのiPadとはいくぶん印象が変わった