「毒祖母問題」の解決法

「親との子育てへの考え方の違い」は、ままあることだ。
ミキハウスが2017年に7000人超を対象に行った調査によると、親との考え方の違いが「よくある」「たまにある」と回答した人は45%と半数近くに上った(ミキハウス「出産準備サイト」より)。

では、孫に良かれと思って手や口を出してくるばあばたちに、どう対応すればよいだろうか。
まず、冒頭の男性のように同居している場合の解決法は3つ。

ひとつは、ばあばに「これだけはお願いします」と特化した役割を担ってもらうことだ。
例えば男性は、部活時や行事の際のお弁当作りを頼んだ。事実でもあるから「ばあちゃんの弁当が好きだから」という言葉も添えた。

そして、ばあばを変えるのではなく、子どもを変えることに努力した。

日ごろから指示や命令ではなく「どこを直したらいいと思う?」「まず何をしたらいいと思う?」と問いかけをした

中学生にもなると、自分で自分の姿を見返す「メタ認知力」はぐっと高まる。親の態度が変わったと感じたからなのか、長男は2年生になった最近ではばあばに言われなくてもさまざまなことを先にやるようになってきた。強く反抗するわけではないが「世話を焼かないで」というオーラが出ているという。孫のほうから少しずつばあばから自立を始めたのだ。

ばあばも人生の葛藤を抱えている

3つめは、ばあば自身の人生を楽しんでもらうことを、子どもとして応援することだ。
20歳で嫁いで家業を手伝いながら3人の子どもを育ててきた男性の母親の口癖は「40年間、家政婦やってきた。あなたたちは遊びに行くけれど、私はできなかった」。
そこで、男性は休みの日に旅行に行くよう勧めたりした。

ばあば自身が自分の人生に葛藤を抱えていて、多少なりともそのストレスがあれば、なかなか視野を広げられない。したがって、自分の時間を楽しく過ごしてもらえば、寛容になって歩み寄る空気が生まれやすいはずだ。

➀役割を担ってもらう

②少しずつでよいので子どもを変えてゆく。子どもの姿から「孫はこのままでいいのだ」とありのままを受け入れてもらう。

③孫の世話や未来だけを生きがいにせず、ばあば自身の人生を楽しんでもらう。

この3つは、同居していない女性の対応策にもなるはずだ。口出しだけでなくたまに何か役割を担ってもらう。のびのびと育っている子どもの姿を見てもらう。ラインする時間もなくなるくらい、自分の時間を楽しんでもらう。

男性の母親は孫の変化を感じ取ったのか、少しずつ孫離れをしているようだという。

先回りしすぎる大人たち

実は、ばあばに限らず、世の中の大人は子どもに対し、先回りばかりしてはいないだろうか。
前述した男性によると、長男の中学校では定期テストの結果を生徒に渡した日は「テストの結果を返したのでご確認ください」と今年度からメールで連絡網を回すようになった。

親に見せない生徒がいるからだという。

親に見せないのなら、何かその子に引っかかる点があるからだろう。筆者の息子が中学生のときは、息子をはじめ多くの生徒が自分で勝手に印鑑を押して持って行ったりした。

あとでバレて叱られたりした。

だが、その「やらかし」が、なぜ勉強するのかといったことを親と話し合う機会になるし、よい成績でなくてもそれを受け止めなければ前には進めないこと、ありのままの自分を受け止めることを知る訓練になった。

だが、学校は先回りし親に知らせる。それは成長の機会を奪うことにはならないか。
そんなことをばあばたちと話すのも、お互いの教育観を知る機会になるだろう。
意見の相違が明らかになるのを怖がってはいけない。いつかは分かり合えるはずだ。なぜならば、孫や子に「いい人生を送ってほしい」と願うゴールは同じなのだから。

親と子、夫婦、祖父母と孫、それぞれ意見が異なることがあるのは当然だ。しかし「いい人生を送ってほしい」という気持ちが一緒であれば、必ず未来はある(写真の人物は本文の実例と関係ありません) Photo by iStock