家事の辛い日本人の多くが「結婚後」?

一方日本では、家事は「女性がするもの」という認識がいまだに強く、統計でも女性の家事時間は男性よりずいぶん長くなっている。
ひとり暮らしで「家事が面倒」という人はいるが、「家事がしんどくてつらい」という人はまずいない。それなのに、夫婦になると「家事が大変」と追い込まれる女性が、日本にはたくさんいるのだ。

こちらは60年代の労働者階級のご自宅だという Photo by atlantic-kid/iStock

これは、改めて考えればふしぎである。自分のことを自分ですれば、結婚しても「負担」は増えないはずなのに(育児だと「どこまでが自分のことか」という話になるが、ふたりの子どもなのだから「片方にだけ負担を負わせていい」ことにはならないだろう)。

現状、男性のほうが稼いでいる可能性が高いから、そのぶん女性のほうが多く家事をする、というのは気持ち的にも状況的にも理解できる。長時間労働で、物理的に家事ができない人だっているだろう。「男性を支えたい」という女性もいるから、一方的に「日本の男は家事をしないからダメ!」と糾弾するつもりはない。

ただ、家事は快適に生活するために発生する作業だ。それによって生活が壊れ、だれかの心が疲れてしまっては、本末転倒。

よく、「稼いでいるから家事免除理論」を耳にするけど、稼ぎをタテにするなら、そのご自慢の稼ぎで家事を一部でも外注すればいいのだ。そうすれば相手に無用な負担をかけないですむ(完全に役割分担を前提とした専業主婦/主夫ならまた別だが)。

支えあうべき夫婦で、「こっちのほうがこれだけ多く稼いでいるんだからお前が家事をすべき」といっていてもしょうがない。大事なのは、ともに楽しく暮らしていくために、互いが自分のことは自分でして、感謝を忘れないでいることのはずだ。

家事は、「だれかが不幸になってまでやらなきゃいけない」たぐいのものではない

家事をめぐって家庭内がギスギスしているのであれば、一度「自分のことは自分でやる」という前提で考えてみるといいんじゃないかと思う。そうすれば、日頃どれだけ余計な負担を強いられているか、自分が相手に甘えているかに気づけるんじゃないだろうか。

そしてそこから、「押し付け合い」ではなく「感謝して協力する」方向で考え直してみるのはどうだろう。

同じ時間を家事に使うとしても、向き合う角度を少し変えるだけで、「負担」は減るかもしれない。

こちらは90年代のドイツ・ベルリンのあるお宅。もちろん人によってセンスも違うし、必ずしも絶対綺麗とは言えないだろう。ただ、できるだけ楽にきれいに生活するために「押し付け合わない」ということだけは共通しているようだ Photo by atlantic-kid/iStock