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日本全国「3つの県境に接する」秘境の村に行ってみた

携帯電話はずっと圏外

3つの県が重なり合う地点は、全国に48ヵ所。その中には、「パワースポット」として知られる場所や、地元の人も観光業者も足を踏み入れたことのない「秘境」が数多い。発売中の『週刊現代』では、記者が実際に現地へ向かい、その知られざる魅力をレポートしている。

宝石のような湖(富山・石川・岐阜)

富山・石川・岐阜の3県が接するエリアには、'95年に世界遺産に登録された白川郷・五箇山がある。今では欧米やアジア各国からの観光客でも賑わう、超人気スポットだ。

白川郷の駐車場は連日、観光バスや乗用車でいっぱいになり、道路で順番待ちをすることもある。

ただ、白川郷ほどメジャーだと、それはもはや「秘境」とは呼べない。新高岡駅観光協会のスタッフに聞くと3つの県境ならではの穴場を教えてくれた。五箇山ICから白川郷方面へ15分ほどの所に、「桂湖」という知る人ぞ知る絶景ポイントがあるという。

地元の人も「桂湖」という名前は知っていても、そこへ足を運ぶことはあまりないらしい。しかし一度訪れた人は、誰もがその魅力に取りつかれ、リピーターになるというのだが……。

新高岡駅からタクシーで桂湖へ向かう。運転手も「長年この仕事をしていますが桂湖には行ったことはありません」と困惑気味だ。観光のプロも訪れたことがない幻の湖。どんな場所なのか。

 

東海北陸自動車道に乗り約1時間、五箇山ICを降りさらに走ると「桂湖」と書かれた案内板が目に入る。トンネルを抜けると巨大な境川ダムが姿を現した。高さ115mで県営ダムとしては国内屈指の高さだ。

この境川ダムを抜けると、突如、目を疑いたくなるくらい美しいエメラルドグリーンの湖が目に飛び込んできた。岐阜から富山に入り、湖の向こう4㎞ほど先は石川県だ。

地元住人に聞くと、湖の透明度が高いため、周りの木々や青い空が湖面に映し出され、美しいグリーンに輝くという。まるで一面に翡翠の宝石を敷き詰めたかのようだ。日が差し始めると、湖面の色がさらに鮮やかな緑色へと輝きはじめる。

ダムができる以前、ここには「桂」という名の集落があったという。それが湖の名の由来で、水位が低くなると、かつての段々畑の跡が見える。