イージス・アショアに大金を払い、日本は米国の「不沈空母」にされる

6000億円出して、これですか…?
半田 滋 プロフィール

「やらされている」防衛省

防衛省がイージス・アショアの「適地」をめぐる説明でミスを繰り返すのは、イージス・アショアが政治案件であることと無関係ではない。国防担当にもかかわらず、脇役に回され、地元対策を押しつけられた防衛省の不満がにじみ出た結果といえる。

ミスのいくつかは、地元紙や秋田県などの指摘で明らかになった。「やらされている」から「やっているフリ」をしているだけの防衛官僚と、イージス・アショアが配備されれば生活が一変しかねない地元とでは真剣さの度合いが違う。

秋田市と萩市が選ばれた理由について、防衛省の説明資料は「わが国全域を防護する観点から北と西に2基をバランス良く日本海側に設置する必要から候補地とした」としている。

しかし実は、北朝鮮の弾道ミサイル基地「舞水端里(ムスダンリ)」と秋田市を結んだ延長線上には米軍のアジア・太平洋方面軍司令部のあるハワイがあり、同じく萩市の先には米軍のアンダーセン空軍基地、アプラ海軍基地を抱えるグアムがある。

イージス・アショアとハワイ、グアムの米軍基地の位置関係(元秋田大学准教授・福留高明氏のfacebookより)

日米は弾道ミサイルの発射情報を共有しており、イージス・アショアが探知した情報はただちに米軍の情報ともなる。これにより、米軍は日本近海にイージス艦を配備することなく、北朝鮮はもちろん、ロシア、中国の弾道ミサイル発射情報を入手できるようになる。

ロシアのラブロフ外相が日本政府との北方領土交渉で「米国がアジア地域にミサイル防衛システムを展開することは、ロシアの安全保障に直接関わる問題だ」などと批判を繰り返し、日本のイージス・アショア配備に反対するのは、こうした理由からだ。