日本郵政ショック再び?働き方改革で「正社員の手当削減」という悪夢

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佐藤 敦規 プロフィール

手当相当額がすぐになくなるわけではないが…

とはいえ、手当として支給されていた金額分が突然、消えるわけでない。

話題となった日本郵政の住宅手当も10年間をかけて段階的に減らすものである。公表後、すぐに廃止されたわけではない。労働法で、極端な減給や待遇を悪化させることは、「労働条件の不利益変更」に該当するとして、労使間の合意がない限り、禁止されているからだ。

したがって、もし手当が廃止されたとしても、当面は調整給などという名目で今までと支給されていた手当相当額は補填されるはずだ。

 

ただし、それがいつまでも続くとは限らない。特に給与ではなく、賞与に上乗せされる仕組みなら要注意である。賞与を支給しなければならないという労働法の規定はなく、会社や個人の業績によって大幅に上下させることが認められているからである。各種手当として支給されていた金額分がある年からなくなる恐れもある。

住宅ローンを組む際に「ボーナスについては当てにしないほうがよい」というセオリーがある。今後は、基本給以外の手当を除外して計算したほうが確実である。

給料が減る社員がいる一方で、増える社員もいるであろう。給与を低く抑えられていた伝統的な日系企業に勤務する20代の若手社員には、チャンスも出てくる。手当を削減した分の原資が回ってくるからだ。

役職手当などを除けば、手当は個人の属性さえ満たせば、仕事の成果に関わらず等しく支給されていた古き良き社会主義的日本企業の制度である。皮肉にも非正規社員の給料アップを正社員に近づけるために導入される同一労働同一賃金が、この制度の大幅な縮小をもたらすのかもしれないのだ。

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