悲報…「少量飲酒は体にいい」説を否定する論文が発表されていた

結局「飲酒ゼロ」がいいらしい
庄部 勇太 プロフィール

短時間での飲みすぎをやめる

また、吉本准教授の研究グループが国内の大学生2177人を対象にビンジ飲酒に関する調査を行ったところ、1年間に1回以上ビンジ飲酒をしていた人はしていなかった人に比べてケガを起こす確率が25・6倍高かったといいます。

この調査でのビンジ飲酒の定義は世界的な基準にならい、「2時間での純アルコール量が男性50g以上、女性40g以上」としました。ビールを飲む男性であれば、飲む量が多い日であっても2時間でロング缶2本に抑えた方がいいことになります。

健康を維持して長生きすることが全ての人にとって幸せというわけではありませんが、関心のある人は日頃の飲酒量を把握し、推奨される適正量と比較して、調整してみてはいかがでしょうか。

また、飲酒について何らかの悩みを抱えている人は早めに医師に相談するのも手です。「アルコール依存症も多くの病気と同じように早期発見と早期治療が重要」と取材する医師は言います。

 

その一方で、一般の人からするとお酒の問題について専門的に対応している精神科を受診するのはハードルが高く、医師が診察するタイミングが遅くなりがちだと聞きます。厚労省の調査によれば、アルコール依存症の人は国内に約100万人いると考えられていて、その中で医療機関を受診している人はわずか5万人に留まるといいます。

吉本准教授が「飲酒量低減外来」を開いた背景はここにあります。受診のハードルを下げ、早期治療を行えるケースを増やしたいというのです。

個人的にもこの取り組みには非常に興味があります。

診療報酬など制度の兼ね合いはあるのでしょうが、禁煙外来や睡眠外来のように飲酒外来が増え、飲酒の管理について「専門家と一緒に取り組めるもの」という認識が一般の人に広まれば、自分の中で悩みを抱え続ける人や病気で苦しむ人が減るかもしれません。

吉本准教授は「飲酒量低減外来を端緒に、お酒のことを身近に相談できる文化を日本につくっていきたい」と話しています。

吉本准教授がこの外来を開設した背景や狙いは医療者向け会員制サイト「m3.com」の茨城版に詳しく書きましたので、興味のある方は読んでみてください。