映画『アロハ』(2015年)ではアジア人とハワイの原住民の血を引くはずの役柄に、白人のエマ・ストーンが配役されたときや、日本の『攻殻機動隊』を原作にした映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』(2017年)の主役にスカーレット・ヨハンセンが配役されたときには、多くのアジア系の人たちから批判の声が上がった。

映画『Crazy Rich Asians』が大ごとになったのは、こういう背景があったからだ。ニューヨークのつましい移民の娘であるアジア人女性が、シンガポール出身の大富豪の男性と恋に落ちるという設定のラブコメディだが、キャストが全員アジア系のハリウッド映画が作られるのは、1993年の『ジョイ・ラック・クラブ』以来初めてのことだったから、アメリカのアジア系人口には熱狂的に受け入れられた。

ベストセラー小説を映画化したヒューマンドラマ。中国から移民としてアメリカへ渡り、苦難の人生を生き抜いてきた4人の母親と、アメリカで生まれ育った娘たちの人生を壮大なスケールで描いた群像劇

映画のヒットも去ることながら、それが引き金になってアジア系アメリカ人たちが、「アジア人であること」を雄弁に語り始めたことも興味深かった。特に印象に残っているのは、ハフィントン・ポストのエディター、キンバリー・ヤムの連続ツイートだった。