興行成績の良い作品はマイノリティの割合が高い

2014年からカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)が毎年発表してきた「ハリウッド・ダイバーシティ(多様性)リポート」の最新版によると 、2017年のトップフィルムの主役において、マイノリティが占める割合は19.8%。2016年の13.9%からは伸びたとはいえ、アメリカの全人口のうちマイノリティが占める割合が40%以上だということを考えると、まだまだ低いと言わざるをえない。

また同レポートは、映画の興行成績とキャストの多様性を比較し、一番興行成績の良い映画はマイノリティのキャストが3割から4割を占める作品であること、また制作費とキャストの人種構成を考慮したときに、投資のリターンが一番良いのは、マイノリティのキャストが5割を占める作品であることであることを指摘した。マイノリティの俳優のほうがギャラが安いからだ。

2018年には、前出の『Crazy Rich Asians』、オール・アフリカン・アメリカン・キャストの『ブラック・パンサー』が大当たりしたことで、マイノリティの映画は興行成績をとれないという定説が明白に間違いだと証明されたといえる。

白人に役を奪われてきたアジア系

過去を振り返れば、アジア人は特殊な存在として、ステレオタイプ的に描かれることも多かった。ミスター・ユニオシという出っ歯で背の低い日系アメリカ人が、LとRの発音を混合する様子が描かれた『ティファニーで朝食を』(1961年)は、なかでも悪名高い作品のひとつである。

アカデミー賞2部門を獲得した、オードリー・ヘプバーンの代表作でもある

このようにあからさまな差別的描写はさすがに昨今では減ったとはいえ、近年には、
「ホワイトウォッシング」(白化)と呼ばれる現象が登場した。