国際社会も強く反応
こうした香港内での保守派も含めた「総動員」に加え、外交団や香港の外国商工会議所など、国際社会も一斉に反対した。
アメリカは近年、「香港独立派」とされる者の政界からの排除などを、香港の自治の後退として懸念を強めており、この改正にも重大な関心を示した。
アメリカは香港の「一国二制度」実施状況を監視し、香港が自治を失ったと見なせば香港への特別待遇を取り消す「香港政策法」という法律を持つ。

中国企業は香港に子会社を設置し、これを使って米国の制裁を回避し、米国でも比較的自由に活動できていたが、いざとなればそれを封じる手段をアメリカは持っているのである。
民主派の訪米団がペンス副大統領との会談を実現するなど、米中新冷戦の下で、香港問題はトランプ大統領のカードとなり得る。
アメリカ以外の欧米諸国も強く反応した。カナダはファーウェイの孟晩舟(もう・ばんしゅう)副会長を拘束した後、中国との関係が悪化し、中国でカナダ人の逮捕が相次いだ。
引き渡しの対象は香港に在住・滞在する者や、香港を経由する者など、外国人にも及ぶ。自国民が「人質外交」の具になる懸念から、カナダ・イギリス・EUなどはいずれも問題を指摘し、香港の欧米諸国の商工会議所も続々と反対を表明した。