食品ロスは「気象」で解決!「豆腐指数」で売り上げを予測せよ

気象データを利用して冷奴を売りまくる
ガストロノミア プロフィール

船で運ぶことができれば、二酸化炭素の排出量も少なくすみますし、コストも安く抑えられます。

しかし、流通時の意思決定の都合上、1週間先までしか気象予報がわからないと、どうしても船での輸送は間に合わないんです。

そこで、我々は気象予測分野の先進地域であるヨーロッパのデータも活用し、気象予測を1週間から2週間に伸ばして独自予測を提供することにしました。これにより意思決定を前倒しにすることが可能となりました。

さらに、日本気象協会のECoRO(エコロ)という内航船向け最適航海計画支援システムによって、運航会社は効率的な航路で荷物を運ぶことができるようになり、二酸化炭素の排出量を54%削減することができました。

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──今後は食や流通以外の業種でも気象データによる予測システムが活用されることが期待できますね。

今後は医療や自動車など、一見すると気象とは関係がなさそうな分野にも目を向けていきたいと考えています。大手広告代理店やAIのスタートアップ企業など、連携してくださる企業も増えてきています。

ゆくゆくは社会全体の課題を解決できるレベルにまで事業の精度を上げていきたいと考えています。

「絶対にやり遂げる!」という意思が肝

──このプロジェクトを推進していくなかで、大切にされているモットーはあるのでしょうか?

「いろいろな立場にいる方の意見に耳を傾けること」です。

一人でできることや自社だけのリソースでできることには限界がありますし、今はもうそういう時代でもありません。

いかに異業種の方々とコミュニケーションを取り、互いの課題を共有しあったうえで、連携していくのか。

それは、AIには置き換えられない、人間にしか担えない仕事だと思いますし、今後はその能力が一層求められる時代になるのではと感じています。

──最後に、これから社会へ飛び出し、新しいことにチャレンジしていく学生へ向けてエールをいただけますでしょうか。

何か新しいことを始めようとすると、嫌になることは山ほどありますし、諦めたくなることだってあるはずです。

しかし、重要なのは「絶対にやり遂げるのだ」と強い意志を持ち続けることなのではないでしょうか。

……と、少し偉そうに語ってしまいましたが、実はこれ、相模屋食料の鳥越社長の受け売りなんです(笑)。

「豆腐指数」を実現させるまで、私自身幾度となく諦めそうになるタイミングがありました。でも、そんな時に諦めさせてくれなかったのが鳥越社長なんですよ。

「なんとしても豆腐のロスをなくすのだ!」という鳥越社長の信念に突き動かされて、ここまでやってこれました。

みなさんも新しいチャレンジをする際には、「諦めずにやり抜く」という強い気持ちを忘れないようにするといいのではないでしょうか。

一般財団法人日本気象協会 中野 俊夫(なかの・としお)

1999年3月、京都大学大学院理学研究科修了。2000年4月、日本気象協会入社。首都圏支社調査部配属。気象システム構築に関する業務を担当する。2012年9月、九州大学大学院工学府博士(工学)の学位取得。2014年7月から事業本部防災ソリューション事業部へ配属。経済産業省の補助事業を同時期から開始する。

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