中高生が「避妊失敗した…」緊急避妊薬オンライン処方して見えたこと

もっと制度を使いやすくする必要がある
山本 佳奈 プロフィール

まだまだ改善の余地がある

さて、こうしたクリニックでのオンライン処方の実施と緊急避妊薬のアクセス改善を求める声が次第に高まってきたことも影響しているのだろう、オンライン処方のハードルを下げる動きが見られる。

今年に入り、厚生労働省にて「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」が開催され、〈初診対面診療の原則〉の例外として提案・要望があった緊急避妊薬の処方について議論が行われるようになった。6月11日、緊急避妊薬のオンライン診療での処方を限定的に認める指針改定案が厚生労働省の検討会で了承された。

世界保健機関(WHO)は、「意図しない妊娠のリスクを抱えた全ての女性は、緊急避妊薬にアクセスする権利がある」として、複数の入手手段の確保を各国に勧告している。

 

だが、今回の改定によって、オンライン診療での緊急避妊薬の処方が承認されたとはいえ、まだまださまざまな制限が課せられている。

たとえば、

(1)処方できるのは産婦人科医と研修を受けた医師に限定され、緊急避妊薬のオンライン診療を行う医師のリストは厚労省がホームページで公開する。

(2)不正転売を防ぐために処方は1回1錠とし、薬剤師の前で服用させ、妊娠の有無を確認するため、服用から3週間後の対面受診を求めるという。

(3)さらに、原則として、「女性健康支援センター」などの相談窓口で情報提供を受けた上で相談窓口の医師が対面診療とオンライン診療のどちらが適切かを判断するというのだ。

「緊急」避妊薬を処方するための変化なのに、あまりに悠長と言わざるを得ない。WHOが勧告している「意図しない妊娠のリスクを抱えた全ての女性が緊急避妊薬にアクセスできる」という状況になったとは到底言えないだろう。

海外では市販化されているような薬を、どうして産婦人科医と研修を受けた医師しか処方できないと限定するのだろうか。薬剤師の前で服用させる必要があるのだろうか。

少しでも早く内服することでより避妊効果を期待できる緊急避妊薬を求めている女性がいるにもかかわらず、対面診療とオンライン診療のどちらが適切かを判断する必要があるのだろうか