地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1972年のこの日、国際標準時局(Bureau International de l'Heure:BIH[仏])の決定によって、初めてのうるう秒の挿入が実施されました。
うるう秒とは、原子時計によって決定される国際原子時(TAI)と、地球の自転を基準とした世界時(UT1)のずれを調整するために挿入される秒のことで、通常は存在しない「6月30日の23時59分60秒(日本時間では7月1日の8時59分60秒)」を挿入することで1日の長さを1秒だけ長くする調整が行われました。
1972年以来、27回の調整が実施されており、直近では2017年1月1日にうるう秒の挿入が行われています。
国際原子時と世界時がずれてしまう原因は、1967年に定められた「セシウム133原子の超微細構造準位の間の遷移周期の9192631770倍」という1秒の定義を用いると、地球が1回転するのにかかる時間、つまり1日の長さが平均24時間と0.001秒(86400.001秒)になることにあります。
地球の自転速度は日々変動していますが、平均すると1~2年で、国際原子時と世界時には1秒程度のずれが生じることになり、これを調整するために、うるう秒が挿入されることになるわけです。
なお、時間の補正に関する業務は、1987年にBIHから国際地球回転・基準系事業(International Earth Rotation and Reference Systems Service:IERS)に引き継がれています。
