〔PHOTO〕しまむらのウェブサイトより引用

しまむらが1年弱で「ZOZO離脱」せざるを得なかった苦しい事情

そしてユニクロとは差がついていく…

構造的な「無理」があった

しまむらが、ZOZOTOWNからの撤退を発表した。これに対して、アパレル業界関係者は概ねほとんど驚いていない。もちろん、筆者自身も驚いておらず「極めて当然」という感想だ。

しまむらがZOZOTOWNへ出店したのは昨年7月のことで、わずか1年弱での撤退となった。出店当初から筆者も含めたアパレル業界関係者は怪訝にしか思えなかったが、ZOZOTOWNファンやIT関係者からは期待の声が大きかったように記憶している。

アパレル業界関係者がしまむらの出店に疑問を抱いたことにはそれなりの理由がある。

低価格販売で知られるしまむらだが、利益率も低く、いわば「薄利多売」で成り立っている。全業態を合わせたしまむらの店舗数は2000店を越えるが、売上高は5400億円ほどである。

よく対比される(この対比が正鵠を射ているとは思わないが)ユニクロは国内約800店舗で8500億円の国内売上高があることから考えると、店舗数は2倍以上あるのに、売上高は4割少ないということになる。いかに1店舗あたりの平均売上高がユニクロと比べると少ないかがわかる。

〔PHOTO〕Gettyimages

「手数料」が痛い

では、それがZOZOTOWNの出店にどのように影響するのか。

ZOZOTOWNに限らず、ECモールは販売手数料を必ず取られる。この販売手数料こそがECモール側の売上高となる。各モールによって設定が異なるが、だいたい20~35%くらいだといわれている。

ZOZOTOWNの昨年夏時点での販売手数料は35%だといわれており、出店先によってこの料率を変えていたと考えられる。2019年年初発行の週刊新潮とウェブ記事で、ZOZOTOWNから撤退したミキハウスの木村晧一社長は「うちの手数料は20%ほどで他社より安かった」と明言している(「週刊新潮」1月24日号)。

 

一方、ZOZOTOWNから撤退した某社に筆者が独自に尋ねたところ「うちは34%だった」との回答を得ている。このため、今年年初までのZOZOTOWNは出店先によって料率を変えていたと推測することができる。

しまむらの2019年2月期連結決算では売上高総利益率(粗利益率)が31・8%と発表されており、仮にZOZOTOWNの販売手数料が30%を越えていたと仮定すると、いくら売れたとしてもほとんど利益が残らないということになる。

アパレル業界関係者がしまむらのZOZOTOWN出店について疑問を抱いたのはこの利益構造のためだ。薄利多売のしまむらが、20~35%の販売手数料を取られるECモールに出店するメリットはないからだ。