日本人はどこ!?

また、Women Deliverに参加した誰もが知るゲストは、トルドー首相だけではない。カナダの他にもエチオピア、ケニア、ガーナから現国家元首、オーストラリアから前国家元首が訪れ、デンマークからはプリンセスまで参加した。

Empowering Young People Through CSE 登壇者の方々と。左から、デンマーク外務省、デンマーク性教育協会、メアリーデンマーク皇太子妃、筆者、ハイチよりヤングアクティビスト、IPPF事務局長 写真提供/福田和子

また、国際機関からも多くの職員が出席し、IPPF、UNICEF, UN WOMEN、UNFPAなどは事務局長が登壇、Plan Internationalやユ二リーバからはCEO、アクティビストとしては#metoo運動をはじめたタラナ氏ノーベル平和賞を受賞したマララさんの父ジアウディン氏ビル・メリンダ・ゲイツ財団からメリンダ氏アイルランドにおいて中絶を合法化に導いたエイルブ氏など、憧れ続けた先人たちがバンクーバーの地に集結した。本カンファレンスの世界的注目度が身に染みた。

こうして、世界中すべてのひとの性と生殖に関する健康権利のために、いわゆる途上国先進国関係なく世界各国から要人が集まった。政治家も、例外ではない。

私は本会議で、アドボカシーアカデミーという、SRHRに関連したアドボカシー(政策提言)の手法を学ぶアカデミーに合格、参加できることになった。そこには約50の国から100人が参加し、自分たちの訴えを政策に反映させるスキルを2日間みっちり勉強した。そのまとめとして、実際に各国の議員や国連職員にアドボカシーを行うParliamentarians forumが開催された。

そこには38の国から50を超える国会議員と、30人近い国連等有力機関の職員が集まった。そこにはいわゆる途上国の議員だけではなく、カナダ、イギリス、ニュージーランドといった先進的取り組みの多い国々からも参加があった。

Parliamentarians Forumで発言するリベリアの国会議員。会後、SNSにこのフォーラムの報告をあげる議員もいた 写真提供/福田和子

そこで周りを見渡すと、実際に自分の国の議員や関係者に直接施策や現状を訴えることができた参加者も数多くおり、また、各国の議員同士で情報交換するひとたちもいた。彼らが連絡先を交換するのを眺めては、こうして世界は少しずつでも動いていくのかと感動していた。

が、反面、私の気持ちは真っ暗だった。なぜなら、その場に私以外誰一人、参加者も政治家も含めて、日本人、更に言えば東アジア出身のひとがいなかったからだ。

東アジア系、日本人がいなかったのはアドボカシーアカデミーだけではない。正確な人数は分からないが、4日間ずっと会場をあちこち回っていても見つけた日本人らしき人は私を含めたったの5人程度。東アジアもジェンダー平等の分野では改善の余地が充分あるにも関わらず、8000人をおける参加者のうち、たったそれだけ。勿論、日本の政府や団体等が主催するサイドセッションもない。こんな状況では、日本の抱える問題が国際社会と深く共有されないのも、日本の政策決定者の意識がアップデートされないのも、当然だ。

アドボカシーアカデミーのメンバーと。福田さん以外に日本人はおろか、東アジアの人はいなかった 写真提供/福田和子