日本の教育問題の根本にある「学年学級制」を克服する大胆提言

「未来の学校」とはどんなものだろうか
苫野 一徳 プロフィール

現在の学び方は時代遅れ……

一つ目の理由は、先に言ったような「みんなで同じことを、同じペースで」の学びが、今や時代に合わなくなっていることに、多くの人が気づいていることです。

カリキュラムは、今後、ただ出来合いの問いと答えを勉強するだけでなく、「自分たちなりの問いを立て、自分たちなりの仕方で、自分たちなりの答えにたどり着く」、そんな「探究(プロジェクト)」が中心に確実になっていきます。

とすれば、その探究が異年齢チームで行われることも十分ありうるでしょう。小学生と中学生と高齢者による、地域の課題解決プロジェクトチームが組まれることだってあるかもしれません。

学校は、今よりもっともっと、多様性を自然に包摂できる空間になっていけるはずなのです。

ちなみに、小学校では2020年度から、中学校では2021年度から実施される新学習指導要領には、「社会に開かれた教育課程」が謳われています。地域の人たちが学校教育にもっと参画することを、文科省は大いに奨励しているのです。

学校の中に、もっと多様性や流動性を。同質性の高い息苦しい空間を、もっと風通しのいいものにしていきたいものだと思います。

〔PHOTO〕iStock

“ごちゃまぜ”は実現しつつある

学校が“ごちゃまぜのラーニングセンター”になっていくだろうもう一つの理由は、特に地方で進んでいる、少子化や過疎化に伴う小規模校や学校統廃合の問題です。

今や、学校統廃合は加速度的に進んでおり、中には何十キロものバス通学をしている子どもたちもいます。現代の学校教育における、最大の問題の一つです。

でもわたしは、まさにこの現状こそが、学校を否応なく“ごちゃまぜのラーニングセンター”にしていく大きなきっかけになるのではないか、きっかけにすることができるのではないかと考えています。

小規模校について言えば、今、全国で複式学級が急速に増加しています。一年生と二年生など、異年齢からなる学級のことです。でもこれは、見方を変えれば、異年齢という多様性の“ごちゃまぜ”が、すでに実現した環境だと言うこともできます。