中国は「巨大な北朝鮮」である…共産主義国家の悲しき運命

G20後の東アジアの興亡をよむ
大原 浩 プロフィール

北朝鮮が中国化することはない

ついでに言えば、ウイグルやチベット、さらには「天安門事件」で人民を抑圧・虐殺する「人民解放軍」は、まさに「反対語遊び」としか言いようが無い。この「人民解放軍」がこれから、中国人民を抑圧・虐殺し、「北朝鮮」状態に回帰するのが共産主義中国の運命だと思われる。

それでは、本物の北朝鮮はどうなるのか?

欧米の投資家は、「東西ドイツ統合」や「改革・開放」の再現を期待しているが、金正恩は鄧小平のような偉大な人物では無い。

はっきり言えば、これまでの共産主義中国の経済的成功は、客家である鄧小平とその客家を中心とした華僑(客家国家であるシンガポール、台湾、さらに華僑が経済を牛耳っているインドネシア、マレーシアなどの東南アジア諸国)の強力なサポートによって行われてきた。(鄧小平の活躍は、当サイト1月9日の記事「客家・鄧小平の遺産を失った中国共産党の『哀しき運命」を読む」 を参照)

 

中国共産党が邪魔をするのを手控えただけで、世界中の華僑ネットワークが機能し、本当の意味での「大躍進」を遂げたのだ。

ただ、鄧小平も自覚していた様に、共産党が邪魔しないで国家が発展し国民が幸せになれば、共産党が不必要であるどころか人民の敵であることが白日の下にさらされてしまう。

共産党の最大の目的は、共産党の繁栄と利権の確保であるから「一党独裁」が崩れるような「人民の幸福」は徹底的に叩き潰すのが当然である。

「自由(経済面も含む)」と共産主義は水と油であるから、本来混ざらないものを鄧小平という傑出した人材の辣腕で融合させたのだが、それでも本質的な食い違いはどうしようもなく、いつかは破綻する。

超人・鄧小平とは似ても似つかず、毛沢東ほどの邪悪さ老獪さも持たない3世のボンボンである金正恩氏が率いる北朝鮮が、中国のような「改革・開放」を成し遂げる可能性はほとんどない。

彼らに待ち構えているのは、当サイト6月19日の記事で述べた「第2次朝鮮戦争に向けたアメリカの準備が進んでいる」という現実である。