残酷すぎる…中国で宅配便配達員の女性を襲った「恐ろしき実態」

モンスター顧客がここまで踏みにじる
北村 豊 プロフィール

世界一の宅配便利用国に

ネットショッピングの隆盛は、商品を迅速かつ確実に配達する宅配便によるところが大きく、全国を網羅する宅配便ネットワークが正しく機能しなければネット通販は成立しない。その宅配便を底辺で支えているのは商品の配達を行う配達員であり、彼らは商品を正しい荷受人(にうけにん)に届ける重要な役割を果たしている。

宅配便の取扱量で世界一は中国である。2019年1月に中国で発表された「2018年全国宅配便企業業務量累計」によれば、中国の宅配便取扱量は前年比26.6%増の507億個で、2014年から18年まで5年連続で宅配便取扱量の世界一に輝いたという。

ちなみに、日本の宅配便取扱量は最新の2017年統計によれば45億個で世界第3位であった。中国の通販最大手である“阿里巴巴(アリババ集団)”を抱える浙江省の宅配便取扱量は100億個を上回っており、浙江省だけで日本の2倍以上の宅配便を取り扱っている。

なお、宅配便取扱量が507億個の中国は人口が約13.95億人であるから、1人当たり年間の宅配便利用回数は36.3回である。これに対して、人口が約1.26億人の日本の宅配便取扱量は45億個であるから、1人当たり年間の宅配便利用回数は35.7回となり、1人当たり年間の利用回数でも中国が日本より若干多いのが実情である。

 

さて、2018年8月に発表された『2018年“快逓員(宅配便配達員)”集団観察報告』(以下「観察報告」)によれば、2016年から今日までに中国における宅配便配達員の人数は50%増加し、その総数はすでに300万人となり、彼らの平均賃金は月6200元(約10万円)に達しているという。

2019年5月14日に中国政府“国家統計局”が発表した『2018年の一定规模以上企業の就業人員平均年収状況』によれば、2018年における一定規模以上企業に属する全従業員の全国平均年収は6万8380元(約109万4000円)であり、宅配便配達員が属する「社会生産サービスおよび生活サービス人員」(以下「サービス人員」)の全国平均年収は5万4945元(約87万9000円)であった。両者を13(12カ月+ボーナス1カ月)で割って月平均を算出すると、前者が5260元(約8万4000円)、後者が4227元(約6万7632円)となる。

こうして見ると、宅配便配達員の賃金は全国平均より約18%高く、彼らの属する「サービス人員」の平均より約47%高いことになる。宅配便配達員の平均賃金は比較的高く、恵まれた水準にあると言う事ができる。

ただし、宅配便配達員の80%が1日8時間以上の労働をしており、より多くの荷物を配達することにより、高収入を得ているのが実情である。さらに言えば、宅配便企業では基本給が支払われるのは見習い期間だけが通常で、それ以降は基本給なしの出来高給となり、個々人が配達した荷物の個数により給与額が決定されるのが一般的である。