グレートジャーニーの探検家が血肉にした「本で冒険する」ということ

関野吉晴さんの「人生最高の10冊」
関野 吉晴

関野吉晴さんのベスト10冊

第1位『マゼラン
シュテファン・ツヴァイク著 関楠生・河原忠彦訳 みすず書房 入手は古書のみ
20世紀前半を代表する伝記作家ツヴァイク。その鮮やかな筆致によって蘇る、非業の死を遂げた英雄マゼランの軌跡

第2位『人間はどこまでチンパンジーか? 人類進化の栄光と翳り
ジャレド・ダイアモンド著 長谷川真理子・長谷川寿一訳 新曜社 入手は古書のみ
人間を人間たらしめているものは何か。「グレートジャーニーの10年間で、ぼろぼろになるまで愛読していました」

第3位『叛アメリカ史 隔離区からの風の証言
豊浦志朗(船戸与一)著 ちくま文庫 入手は古書のみ
「船戸さんは小説でも、アイヌなど虐げられた者たちの視点から歴史を語っていますが、その原点には本作があります」

第4位『小田実全仕事 7-10〈評論I-評論IV〉』
小田実著 河出書房新社 入手は古書のみ
「自分が実際に見たものから思考を始めることの大切さは、小田さんから学びましたね」

第5位『エンデュアランス号大漂流
エリザベス・コーディー・キメル著 千葉茂樹訳 あすなろ書房 1400円
実話ならではの圧倒的な臨場感。「とにかく面白い。冒険ものの中でも最高峰ですね」

第6位『アマゾン動物記
伊沢紘生著 どうぶつ社 入手は古書のみ
「“弱肉強食”ではなく、生物たちが理想的に共存することについての視野が開けました」

第7位『告白録』(上・中・下)
ジャン=ジャック・ルソー著 井上究一郎訳 新潮文庫 入手は古書のみ
「ドストエフスキーの『地下生活者の手記』と並んで、若いうちに読めば人生が変わる」

第8位『Alaska 風のような物語
星野道夫著 小学館 3200円
「一緒に写真展を開催したこともあり、星野さんとは同志と呼び合っていた仲でした」

第9位『自由からの逃走
エーリッヒ・フロム著 日高六郎訳 東京創元社 1700円
ドイツがナチズムに傾倒していった原因を探る。「今の日本にも警鐘を鳴らしうる一冊」

第10位『極限の民族 カナダ・エスキモー ニューギニア高地人 アラビア遊牧民
本多勝一著 朝日新聞社 入手は古書のみ
「限られた取材期間の中で、様々な民族を理解する力と確かな筆力に魅せられました」

『週刊現代』2019年6月22・29日号より