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実は報告よりも多い? 隠れ「カフェイン中毒」の可能性

ハードワークのビジネスマンは注意

カフェインの過剰摂取で亡くなった20代男性

「24時間戦えますか」──バブル全盛期、ジャパニーズビジネスマンは皆、限界を超えて働いたり遊んだりするために、こんなCMで売られる栄養ドリンクやらコーヒーやらをがぶ飲みし、眠気を吹き飛ばしていたものだ。24時間働き続けようなんて、今ならコンプライアンス違反で即刻取り締まりの対象だが、当時は誰も気にしていなかった。

あの頃は皆、本当にカフェインのお世話になったものだ。

無論、現代でもコーヒーは、仕事現場や受験生にとって大切なリフレッシュアイテムだし、「朝の一杯がないと一日がはじまらない」という人も多い。気合を入れて頑張りたいときは相変わらず、カフェイン含有量の多いエナジードリンクをグイグイやってしまう。

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だが2015年、そんなカフェインを愛してやまない我々にとって、衝撃的なニュースが流れた。カフェイン中毒による国内初の死亡者が出たというのである。(しかし実際には、厚生労働省も把握していないカフェイン中毒関連死22例の解析結果が、2014年の『日本アルコール・薬物医学会雑誌』に掲載されている)

死亡したのは、福岡の24時間営業の店で勤務していた20代の男性。夜勤の眠気覚ましにカフェインの錠剤やエナジードリンクを死亡する1年前から日常的に飲んでいたという。

死因究明にあたった福岡大学(福岡市)の久保真一教授(法医学)によると、男性の血液からは致死量に達するカフェインを検出。胃からはカフェイン錠剤とみられる粉末も見つかるなどしたため、急性カフェイン中毒での死亡と結論づけたとのこと。

ニュースはマスコミ各社によって大々的に報じられ、コーヒーやお茶にも含まれる身近な成分・カフェインも、実は「飲み過ぎ危険」と注意喚起された。

日本中毒情報センターによると、1g程度の摂取でも人によっては中毒症状をきたし、2gの摂取で多くの人に中毒症状が現れる。重篤な副作用が発生するのは5gからで、致死量は7gだという。重篤な症状が起きてくる5g以上のカフェインをコーヒーで摂るには50杯、含有量が高いエナジードリンクなら25缶、飲む必要がある。

この量を聞くと、「そんなには飲めないから」と皆、他人事になってもおかしくはない。実際、先の死亡例も「かなり極端なケース」と捉えた人も少なくないだろう。

 

とはいえ、ネット通販で気軽に買えて、最も流通しているカフェイン製剤なら、50錠服用すれば比較的容易に致死量に達する。

さらにコーヒー、エナジードリンクと、カフェイン製剤をちゃんぽんで飲むとしたらどうだろう。たとえばお酒も、1種類ではなくビール、焼酎、ウイスキーと変えていくと、意外なほど飲めてしまうものだ。

眠気に負けず、しゃきっとしたい人たちが、知らず知らずのうちに致死量を超えたカフェインを摂取してしまう可能性はそう低くないのではないだろうか。