ホルムズ海峡タンカー攻撃「真犯人」をめぐる4つの可能性

アメリカは激怒しているが…
佐藤 優 プロフィール

アメリカが判断を誤る理由

佐藤:で、ここから気をつけなくてはいけないのは、日本はアメリカの同盟国でしょ。イランは友好国ね。「同盟国と友好国の言うことが違うときは、同盟国が正しい」とするというのが外交のルールなの。

そうすると、日本としては、あまり詳しいことをアメリカに聞かないほうがいいと思う。

 

邦丸:ただでさえ、アメリカからいろいろな情報が入ってきますよね。

佐藤:アメリカはもう思い込んでいるから。イランがやったと。

アメリカは、たとえばイラクの話でも「絶対に毒ガスがある」と言ったじゃないですか。

邦丸:はいはい。

佐藤:毒ガス、ありましたか? どうもアメリカという国は、「評価」の機能が弱いところがあるんですよね。

どうしてかというと、インテリジェンスというのは「戦争に負けない」ことが目的なんですね。でも、アメリカは軍事力が強いので、戦争しても絶対に負けない。そうすると、手に入れた情報が正しいか間違っているかは、単にコストの問題にすぎなくなってしまう。だから、よくアメリカは判断を間違える。

ここは、日本は少し「トロいフリ」をして、「難しいことはよくわかりません。しかし、みんな仲良くしたほうがいいんじゃないですか」みたいなことを言って、のらりくらりとして時間稼ぎをして、コトがエスカレートするのを防いだほうがいいと思う。

邦丸:「よくわかんないんだよなあ」と、バカ殿みたいに。

佐藤:そうです。そのバカ殿みたいな雰囲気ができるというのも外交力ですから。バカ殿をできる条件は、政権基盤の強さなの。

邦丸:へえ~。

佐藤:政権基盤が弱いと、国内で「あれ、なんだこの首相、バカ殿みたいなことして。早く引きずりおろせ」ということになるけれど、基盤が強ければバカ殿みたいなことをしても平気だから。それができるぐらい、日本の安倍政権はいま強さがあるから、ここは少し鈍感力を発揮したほうがいいと思う。

邦丸:鈍感力ですか……。

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