ホルムズ海峡タンカー攻撃「真犯人」をめぐる4つの可能性

アメリカは激怒しているが…
佐藤 優 プロフィール

これはフーシーという宗教指導者の名前をとっているもので、指導者は2004年に殺されちゃっているんですけれど、反サウジアラビア、反スンナ派主流なの。

それで、新聞ではフーシー派は「シーア派系」とか「シーア派」と書かれているんだけれど、イランもシーア派で、ただ十二イマーム派というのが主流になっている。それでどちらかというと、名誉をすごく重んじて特攻精神で向かっていく、そういうのがこのフーシー派なんですね。

そのフーシー派が、もしアメリカとイランの関係が正常化していく方向に向かうのだったら、まず、アメリカとの関係でイランはフーシーの支援をやめる。そうしたらおカネも来なくなる。兵器も来なくなる。自分たちは逆にサウジ系の勢力によってやられちゃう。ならば、紛争が続いたほうがいい。そうなると、やる可能性があると思う。

 

安倍・ハメネイ会談の意味

邦丸:そのイエメンのフーシー派という集団は、こういうテロ攻撃の技術は持っているんですか。

佐藤:持っています。それはイラン革命防衛隊が教えたの。

邦丸:ああ、そういうことか。

佐藤:だから、彼らのやり方は革命防衛隊流ではある。これはまったくの推測ですけどね。

それで今回、爆弾を仕掛けた人たちと不発弾を取り除きにいった人たち、これが果たして同じ人たちかどうかというのは、アメリカの資料からではわからないよね。付けた人と外した人が違うかもしれない。

それから、アメリカの今回の資料に関しては、アメリカは「イランの仕業だ」と言ったけど、今この説に付き合っているのはイギリスとイスラエルだけ。それ以外の国は懐疑的なんです。

実は、それは安倍さんがハメネイさんと会ったからなの。ハメネイさんが「オレは戦争する意図はないよ。オレは核を持つ意志はないよ。しかし、アメリカの言うことも聞かないよ」と、こういうふうに言ったと聞いている。もしハメネイさんがトランプ大統領のメッセージを聞きたくないなら、安倍さんとは会わないし、安倍さんと会談しても「トランプのメッセージは聞きたくない」と言って却下するだけだけど、そうはしていない。

ということは、ハメネイさんは少なくとも今、戦争をする意思はないというふうに世界の外交専門家・インテリジェンス専門家は見ているんですよ。

それだから、アメリカの主張を鵜呑みにはしていないの。一方で、大規模戦争になった可能性というのは、安倍さんが行ったことによって阻止されている面がある。