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ホルムズ海峡タンカー攻撃「真犯人」をめぐる4つの可能性

アメリカは激怒しているが…
※本記事は『佐藤優直伝「インテリジェンスの教室」』に収録している文化放送「くにまるジャパン極」の放送内容(2019年6月21日)の一部抜粋です。野村邦丸氏は番組パーソナリティです。

4つの可能性

邦丸:アメリカとイランの間で緊張の度合いがグッと高まっています。そのきっかけになったのが、安倍さんがイランを訪れた6月13日ですか、この直後に日本のタンカーが……。

佐藤:日本の会社が運用するタンカーですね。

邦丸:このタンカーが襲撃されて、まあ穴が空いちゃったわけです。で、これをアメリカが「イランがバックにいるぞ」と、証拠資料として映像まで出してきた。ところがイランからすると、「いや、ウチがやるわけないだろう。なに言いがかりつけてんだ」ってことで、さあどっちが言っていることが本当なのか。

佐藤:これには、4種類の可能性があるんです。

邦丸:4種類!

 

佐藤:ひとつ目。ハメネイさんが大ウソつきだという可能性。

邦丸:イランの最高指導者ですね。

佐藤:はい。この最高指導者が実は大ウソつきで、安倍さんには「平和を望んでいる。核はつくらない」と言いながら、後ろで「やってこい」と命令していた可能性。でも、そんなことをやったら、ハメネイさん自身が「いったいどういう人だ?」と言われて、国際社会からの信用がゼロになっちゃうでしょ。イラン国内でも。だから、ないと思うのね。

邦丸:ひとつ目は消えた。

佐藤:そうです。二番目は、イスラム革命防衛隊が暴走して、ハメネイさんの知らないところでやった。

邦丸:イスラム革命防衛隊というのは?

佐藤:これはイランの最精鋭軍です。普通のイラン軍より強いの。

邦丸:正規の軍隊よりも強い。

佐藤:はい。それであっちこっちに、「革命の輸出」みたいな形で各国のテロ組織と認定されているような組織、ヒズボラとかそういったところを支援しているんですけどね。そこが暴走してやった、という見方。

一見、説得力がありそうに見えるんだけれど、これだとハメネイ師が国家を統治できていないということになる。そういう状況ではないと思うから、この二番目も違う。

邦丸:ふむ。

佐藤:三番目。アメリカの謀略。

邦丸:アメリカの謀略。

佐藤:イランが言っているのは、そういうことでしょ。しかし、謀略がばれたら大変なことになりますよね。流石にそんなことはしない。

邦丸:アメリカが自作自演でやった、という筋はない。

佐藤:そして四番目。私はこの仮説に近いんだけど、イランはあっちこっちの過激な勢力を支援していて、そのうちの一つにイエメンのフーシー派というのがあるんですよ。