2019.06.25

コメダ珈琲はなぜ強いか。上場から3年の成績を検証してみた

まだまだ伸びしろだらけ
田中 博文 プロフィール

利益率が下降している理由

増収増益のため、開示資料では利益率が下がって理由については記載されていないが、売上高原価率、売上高販管費率の推移を調べてみた。

販管比率は横ばいだが、原価率が15/2期比、5.7ポイント増加しており、利益率の下降の原因はほぼ原価比率の増加と考えて良い。原価のさらなる内訳は記載されていないので、憶測でしかないが、コーヒー、食材等の高騰などが考えられる。いかにせよ、5年連続の下降なので、一過性の理由ではなく、事業モデルのとしての課題と捉えたほうが良い。

 

国際会計基準 IFRSについて

コメダHDの385億円ののれんは2013年にMBKパートナーズが旧コメダを買収した時に発生したものである。2013年に383億円だったのでほとんど変わっていない。

IFRS適用により、コメダHDは日本会計基準なら毎年20億円超の費用を計上せずに済むわけだが、一方で当然ながら、IFRSでは毎年減損テストが義務づけられており、買収した会社の業績が悪化すれば、計上しているのれんを減損することになるが、業績を勘案すれば、現段階ではその可能性は低いといえる。

それでも、仮にコメダHDが日本会計基準で毎年20億円ののれん償却を行っていたとしても、前期の営業利益は45億円であり営業利益率は20%を超え、業界1位の利益率であることは変わらない。

予想PERは17.5倍。もう少し評価されても良い

コメダHDの今期業績予想は、売上328億円(前期比108.2%)、営業利益78億円(同103.9%)、当期純利益53億円(同103.8%)と開示されており、引き続き好調の見込みである。予想PERは17.5倍となる。業態で一番近いドトール・日レスの予想PERが14.4倍であるが、利益率の高さを勘案すればもう少し評価されても良いかもしれない。

さて、上場後3年の業績を一通り見てきた。概ね順調といえるが、ここで冒頭の三菱商事との提携を考えてみたい。

コメダHDは今月7日に青森県に出店し、日本の全ての都道府県に出店した。まだ出店余地の残されているところもあるだろうが、すでに中京エリアにおいては店舗が減少していることを考えれば、早晩関東、関西でも出店余地が限界に来る可能性は否定できない。

となると、当然海外展開を加速させていく中での三菱商事との提携となる。

すでにコメダHDは中国、台湾で7店舗を出店しており、この「名古屋式」の喫茶店が、現状台湾でも受け入れられており、一定の出店は見込めそうである。重要なのは台湾、中国でも大型のFCオーナーを獲得し、一気に多くの出店を行っていくことが重要かと思う。

代表取締役社長の臼井氏は、三和銀行出身であり、日本マクドナルド、セガの社長も務めた人物。それ以外のマネジメントも商業銀行、投資銀行出身者が名を連ねており、FCビジネスモデルを再定義して、効率化とブランディングによる集客強化が見事に噛み合った稀有な成功例と言えるだろう。今後のコメダHDに期待したい。

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